人に頼み事をするときは、たとえ少しの時間でもあっても相手に仕事の手をとめさせてしまうことになります。「お願いする」立場であることを十分に認識し、謙虚な姿勢で頼みましょう。
ポイントは相手に決定権を委ねることです。
ここでは頼み事をするときのフレーズをご紹介します。
頼むときのフレーズ
①呼びかけ時の言葉
呼びかけの言葉は相手に対して「負担をかけて申し訳ない」「してもらえると、とても助かります」というニュアンスを示す表現を用います。
- よろしかったら 〜 お願いいたします。
- すみませんが 〜 してくださいませんか。
- 申し訳ございませんが 〜 願えませんでしょうか?
- 恐縮ですが 〜 していただけますか。
- たいへん申し訳ありませんが 〜 願えませんでしょうか?
- 恐れ入りますが 〜 お願いいたします。
呼びかけの言葉に続いて「〜していただけますか」「〜してくださいませんか」という疑問形にすると、引き受けるかどうかの決定権を相手にゆだねているように聞こえますので、相手の意思を尊重していることになり、丁寧な印象を与えます。
礼儀長
「〜してください」と動作を促す表現は、頼み事というより、指示になりますので立場をわきまえ、失礼のない表現を用いましょう。
②頼むときのきっかけの言葉
相手への負担度と、自分と相手との関係や距離感によって、呼びかけの言葉から敬語表現が変わります。負担になる頼みごとやお願いする理由などは事情の説明から始め、適切な表現を用いましょう。
- お願いしたいことがあるのですが
- 少々お知恵を拝借したいのですが
- お力を貸していただけませんでしょうか
- お力添えいただけないでしょうか
礼儀長
上司には「手伝いを依頼」するのではなく「知恵・力を拝借する」という姿勢で頼みましょう。
敬語表現の変化
以下は自分と相手との関係・距離感による敬語表現の変化です。
同僚へ | ここに記入をお願いします。 |
---|---|
先輩へ | すみませんが、こちらに記入をお願いいたします。 |
上司・社外の人へ | 申し訳ございませんが、こちらにご記入いただけますか。 |
礼儀長
社内の人であっても、部署外の人には高める表現を用います。
同僚へ | この装置の操作を教えてもらえますか。 |
---|---|
先輩へ | すみませんが、この装置の操作を教えていただけませんか。 |
上司・社外の人へ | たいへん申し訳ございませんが、この装置の操作を教えていただけますでしょうか。 |
礼儀長
引き受けてもらったとき、頼みごとが終わったときには、必ずお礼の言葉を述べるのが礼儀です。