小説「燃えよ剣」著作 司馬遼太郎を読破する。
歴史小説って普段使わない漢字が使われていたり、昔の言葉や表現が用いられていたりと、読むのにはちょっとハードルが高いと感じませんか?
知らない単語に遭遇する度に、ネットや辞書で調べていては手間と時間がかかり、小説を楽しむことができません。途中で読むのを諦めてしまったかたも多いかと思います。
わからない単語は、前後の文脈からイメージし、「読み飛ばす」という方法もアリだとは思います。でもそれではなんとなく読んだ気にはなるかもしれませんが、著者が描いた小説の世界を100%楽しめませんよね。
だいたい一章20ページだとして、20〜30程わたしには知らない単語がありました。ちなみにはじめての歴史小説は50ページほど読み、諦め本棚に眠ったままです。
しかし、心配ありません。
私が「読めない」、「意味がわからない」用語を抜粋し、章ごとにまとめましたので、事前に目を通せば小説の世界にすんなりと入っていくこと間違いなしです。
なんとなくイメージできるワードや、調べてもわからなかったワード、固有名詞、地名などは除いてます。また用語の紹介の順番違いや、重複などはご容赦ください。
用語の意味は、グーグル検索より主に「Oxford Languagesの定義」「コトバンク」「ウィキペディア」「Weblio辞書」「goo辞書」より引用しております。
※「文中表現」は作業中のため、随時追加します。
①女の夜市
ワード | 意味「文中表現」 |
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小鬢 こびん | 小鬢 頭の左右側面の髪。びん。また、特にこめかみのあたり。「百姓のせがれらしく素小鬢という形にすべきところだが」 |
頬かぶり ほおかぶり | ほおを隠すように頭から手拭 (てぬぐ) いなどをかぶること。ほおかむり。ほっかむり。「紺手拭で頬かぶりをする」 |
強姦し ころし | 暴力によって女性を犯すこと。「まさか女を強姦しにゆく」 |
参詣人 さんけいにん | 神仏に参詣する人。「この夜の参詣人は」 |
一郷 いちごう | 一つの村落。村全体。「一郷の灯が消されて浄安の天地になると」 |
浄闇 じょうあん | 神事をとり行う際の、けがれのない暗闇。「一郷の灯が消されて浄安の天地になると」 |
蘇芳 すおう | くすんだ 赤「地口行灯に蘇芳色の提灯がつるされ」※地口行灯は江戸時代より祭礼の際に飾られる、絵と文字を楽しむ行灯。 |
羞恥 しゅうち | 恥ずかしく思うこと。恥じらい。(内からわき上がってくるような)恥ずかしさ。「歳三にはふしぎな羞恥癖があって」 |
獰猛 どうもう | 性質がわる強く、荒々しいこと。「どこかの獰猛で人になつきにくい」※走獣は走り回るけだもの。 獣類をいう。 |
慄える ふるえる | 恐怖・寒さ・興奮などによって、体や手足がガタガタと震えること「慄えるような魅惑を感じた」 |
生娘 きむすめ |
処女。うぶな娘。まだ子供めいた純真な娘。「この男が生娘と通じた」
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逗留 とうりゅう | 旅先で、ある期間とどまること。滞在。「八王子に数日逗留した」 |
数寄屋造り すうきやづくり | 日本の建築様式の一つである。数奇屋(茶室)風を取り入れた住宅の様式。「この寺で宮殿とよばれる小さな数寄屋造りの一室である」 |
野良着 のらぎ | 農作業用の和服。「野良着をきて桑つみをしている」 |
挿話 そうわ |
文章や談話の中途にはさみこまれる、本筋と直接関係がない短い話。エピソード。「すこし異常だが、この挿話は」
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払暁 ふつぎょう |
夜の明けがた。あかつき。「神事の果てる払暁には」
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行灯 あんどん | 古く日本で用いられた照明器具の一つ。 木や竹で角形または円筒形の枠を作って紙を張り、底板に油皿を置いて火をともすもの。「歳三は軒行灯の下を歩き」 |
猥雑 わいざつ | (ごたごたして)下品な感じがすること。下卑(げび)て、みだらなこと。「さすがにこんな猥雑な祭礼に江戸の旗本の子女が来るはずがなかった」 |
矢声 やごえ | 矢を射放つ時、また、射当てた時などにあげる声。「祭礼役人の矢声がきこえ」 |
渡御 とぎょ | 天皇・みこしなどが出かけて行くこと。おでまし。「神輿の渡御をつげる子ノ刻の太鼓がひびきわたった」 |
万燈 まんどう | 数多くの灯火。「万燈が一せいに消え」 |
男神 おがみ | 男性の神。 ⇔女神。 [補説]日本神話では特に 伊弉諾尊 いざなぎのみこと を指し、「陽神」「夫神」とも書く。「男神の神輿が女神のもとに通うのを待つ」 |
媾合 こうごう | 男女が交わること。「男女の媾合はこのあいだに行われる」 |
比翼 ひよく |
二羽の鳥が互いにそのつばさを並べること。二枚重ねたように見せるため、着物の裾(すそ)・袖(そで)などを二重にすること。ひよくじたて。「四枚の比翼がさねに替裾といったもので」
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懐剣 かいけん | 花嫁が打掛を来たときに帯に差す短刀のこと。「例の懐剣を見せた」 |
②六車斬り
ワード | 意味「文中表現」 |
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蚊帳 かや | 蚊を防ぐために寝床を覆う麻や木綿製の四角に吊る寝具のこと。「蚊帳のなかでひとり臥ている」 |
臥ている ねている |
横になる。 ふす。「ひとりで臥ている佐絵と狎れた」
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狎れた なれた |
たびたび経験して常のこととなったり、平気になったりすること。 また、たびたび行なってそのことに熟達すること。 長く使って古くなること。「ひとりで臥ている佐絵と狎れた」
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寝間 ねま |
寝るのに使う部屋。寝室。「女の寝間をもとめて」
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夜陰 やいん | 夜中の暗い時。「夜陰忍びこんでくるほどの豪胆さとは」 |
赤地錦 あかじにしき | 赤い織り地の錦。赤い色の厚手の絹の織り地に、金糸銀糸で模様を織り出したもの。「例の赤地錦に入った懐剣を」 |
嬰児 やや |
あかんぼう。みどりご。あかご。「もし嬰児ができれば、父親の名も知れぬことになる」
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幕閣 ばっかく | 幕府の最高行政機関。 幕府の役所、官僚。「幕閣のある要人が」 |
御簾中 ごれんちゅう | 大臣、公卿など貴人の妻の敬称。 江戸時代、将軍・三家・三卿の妻の敬称。「旗本松平伊織どのの御簾中であられる」 |
勤仕 ごんし | 職務をつとめること。 また、その人。 ごんし。「こんどの九条勤仕のはなしも」 |
猪首 いくび |
猪(いのしし)のように首がずんぐりと太く短いこと。「ずんぐりとした猪首で」
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総髪 そうはつ | 額の上の月代(さかやき)を剃らず、全体の髪を伸ばし、頂で束ねて結ったもの。「まげは総髪にむすび」 |
武侠 ぶきょう | 中国文学での大衆小説の一ジャンルで、武術に長け、義理を重んじる人々を主人公とした小説の総称である。 「武侠の風土といっていいが」 |
巧緻 こうち |
きめこまかく上手にできていること。「江戸の巧緻な剣法からみれば」
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野暮 やぼ | 遊里の習わしに通じていないこと。風雅な心に欠けていること。また広く、洗練されていないこと。そういう人。「野暮ったいものだが」 |
太刀 たち | 日本刀のうち刃長がおおむね2尺(約60cm)以上で、太刀緒を用いて腰から下げるかたちで佩用(はいよう)するものを指す。「中身の太刀をとりだした」 |
拵え こしらえ | 「拵」(こしらえ)とは、日本刀の外装のこと。 鞘(さや)、茎(なかご)を入れる柄(つか)、鍔(つば)の総称。「拵えこそ粗末だが」 |
業物 わざもの | 切れ味の良い日本刀のこと。「家に伝わる武州鍛冶無銘の業物で」 |
入牢 じゅろう | 牢屋にはいること。 牢屋に入れられること。 入獄。 投獄。「捕らえて入牢させる」 |
喚く | 大声で叫ぶ。大声をあげて騒ぐ。「名人と知らずに喚いている」 |
薙ぐ なぐ | 横に打ち払って切る、または倒す。「草を薙ぐように」 |
放胆 ほうたん | きわめて大胆なこと。思い切ってするさま。「放胆に胴をあけっぴろげたまま」 |
諸手 もろて | 両手。「左諸手上段に剣先を舞い上げた」 |
薙刀 なぎなた | 日本の長柄武器の一種で、平安時代に登場した武具。「柳剛流だけにある手で、薙刀を加味したものだ」 |
他日 たじつ | いつか別の日。「あらためて他日」 |
虚空 |
何もない空間。空中。大空。「首は虚空にはねあがり」
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下手人 げしゅにん | 自分で手を下して人を殺した者。「その後、下手人は知れない」 |
憑く つく | あるものと他のものが離れない状態になる。あるものが他のものや他の所まで達する。あるもののそばに寄ってそい従う。「土方さん、なにか憑いたか」 |
編笠 あみがさ | イグサ、稲藁(いねわら)、マコモなどの茎を材料にして編んでつくった笠。「編笠をとって」 |
溝川 どぶがわ | どぶ水の流れる川。どぶのようにきたない川。 |
漆 うるし | 日本、中国、朝鮮半島ではウルシ科ウルシ属の落葉高木のウルシから採取した樹液。「漆の若木が一本、紅葉しかけている」 |
小半時 |
昔の一時(いっとき)の四分の一。現在の三十分。およそ半時。現在の一時間足らず。「小半時も草の上に立ちつくした」
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袈裟 けさ | インドで制定された僧侶の衣服。「右袈裟に大きく撃ちおろした」 |
③七里研之助
ワード | 意味「文中表現」 |
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旅籠 | 旅人を宿泊させ、食事を提供することを家業とする日本の家のことである。宿屋のこと。旅館の原点。旅籠屋(はたごや)の略。「街道には板葺き屋根をならべる旅籠には」 |
飯盛女 めしもりおんな | または飯売女(めしうりおんな)は、近世(主に江戸時代を中心とする)日本の宿場に存在した私娼である。「おじゃれとよぶ遊女である。飯盛女である」 |
小商人 こあきんど | 商人のうち,営業の規模が特に小さい者。「旅の小商人が」 |
羅紗 らしゃ | ポルトガル語の”raxa”(ラシャ)が語源で「厚手の毛織物」という意味です。 ちなみに「羅紗」は当て字。本来は厚手の毛織物全般に使われる言葉です。「羅紗地のはかまのすそを」 |
出教授 できょうじゅ |
先方へ出かけて教えること。「地方への出教授で」
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中間 ちゅうげん | 昔、公家・寺院などに召し使われた男。身分は侍と小者との間に位する。中間男。 江戸時代、武士に仕えて雑務に従った者の称。「物好きな町人、中間か」 |
寺小姓 てらこしょう |
寺に住んで、住持のそば近く仕えた少年。「伝通院の寺小姓ぐらいのものだった」
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目録 もくろく | 師から弟子に芸道・武術を伝授する時、その名目と伝授し終わった由を記して与える文書。「井上源三郎など目録以上の者が」 |
定宿 じょうやど |
いつも泊まりつけの宿。「この上州屋がかれらの定宿になっていた」
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堪える こらえる | (苦痛や欲求などを)がまんする。(感情などを)抑えて外に出さない。「夜勤めにも体が堪える」 |
四半時 しはんとき | 一時 いっとき (約2時間)の4分の1の時間。 現在の約30分。 小半時。「それから四半時は経っていた」 |
敵娼 あいかた | 遊廓でお客の相手になる娼妓のことをいふ。 遊里用語。 … 遊客の相手になる遊女、敵媚とも書く。「井上源三郎さんの敵娼だった」 |
厭 いや | 十分に満足する。腹いっぱいになる。あきる。うみ疲れる。いやになる。「厭だ」 |
酌 しゃく |
酒を杯にくむ。また、酒をついでのむ。さかもりをする。酒を杯につぐ人。「お咲は酌をしながら」
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月代 さかやき | 江戸時代以前の日本にみられた成人男性の髪型において、前頭部から頭頂部にかけての、頭髪を剃りあげた(抜き上げた)部分を指す。「月代がのびていて」 |
連雀 れんじゃく | 行商人がたくさんの小間物を入れた箱などの荷を背にくくりつけて背負うときの紐または具,その背負い方をいう。 室町~戦国時代に特に盛んであった。「翌日は連雀村に移った」 |
浪人 ろうにん | 古代、本籍地を離れ、他国を流浪している者。 浮浪人。 中世・近世、主家を自ら去ったり、あるいは失ったりした武士。「村に妙な浪人がきました」 |
入府 にゅうふ |
府内(都)にはいること。領主が初めて領地にはいること。入部。「家康の江戸入府のころにかけて」
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娘御 むすめご | 他人の娘の敬称。「娘御は?」 |
内儀 ないぎ |
町人の妻。おかみ。内密の事柄。「半造の内儀になっている」
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念流 ねんりゅう | 室町時代に念阿弥慈恩(想馬義元)が創めた剣術流派で、日本兵法三大源流の一つにして最も古い流儀「上州馬庭で念流を修めたらしいが」 |
食客 しょっかく | 自分の家に客分としてかかえておく人。 しょっきゃく。 他人の家に寄宿し、養われて生活している人。 よその家に寄食する人「道場の食客になっている」 |
白刃 はくじん |
さやから抜き放った刀。ぬきみ。「腰をひねって白刃を高く宙に飛ばし」
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④わいわい天王
ワード | 意味「文中表現」 |
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免状 めんじょう |
免許・赦免などの証として記された文書。卒業証書。「取立免状といった剣位だ」
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定法 じょうほう |
決まっているおきて。また、お定まりの仕方。「わが八王子の甲源一刀流の定法だ」
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籠手 こて | 籠手(こて) 籠手は腕から手を守るための防具で、腕を通す筒状の織物の生地に、鉄や革で作られた座盤(ざばん)を取り付けて補強します。「飛びこんでは起籠手を撃ち」 |
切尖 きっさき | 刃物など、とがったものの先端。 「歳三は相手の切尖を裏から払った」 |
刺子 さしこ | 手芸の一分野で、布地に糸で幾何学模様等の図柄を刺繡して縫いこむこと。「刺子のえりにまで血がにじんでいる」 |
乱離骨灰 らりこつばい |
散りぢりに離れること。めちゃめちゃ。「乱離骨灰に柳剛流が打ちのめされた」
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きびす | かかと。 くびす。 履物の、かかとにあたる部分。「わが足のキビスでわが尻を蹴る」 |
軽捷 けいしょう | みがるですばやいこと。「この軽捷な男は、窓から外へ飛びおりていた」 |
くぐり戸 くぐりど | 一般には正門の横に設ける脇戸(わきど)や、扉や戸などの大きな建具の一部に組み込んだ、潜って通る小さな戸をさす。「その松の大枝の下のクグリ戸がカラリと開き」 |
手燭 てしょく | 灯火器の一種。燭台に柄をつけて持ち歩きに便利にしたもの。「ホッと手燭の灯を消し」 |
抗う あらがう | 従わないであらそう。抵抗する。逆らう。「歳三に抗わなかった」 |
義太夫 ぎだゆう | 「ぎだゆうぶし(義太夫節)」の略。 義太夫節(ぎだゆうぶし)とは、江戸時代前期、大坂の竹本義太夫がはじめた浄瑠璃の一種。略して義太夫(ぎだゆう)ともいう。国の重要無形文化財。「義太夫を村の連中に教えたりして」 |
洒脱 しゃだつ | さっぱりしていて俗気がないこと。「なかなかの洒脱で」 |
沙汰 さた |
善悪・理非を見分けて決めること。人々の口にのぼるような事件・行為。「喧嘩沙汰が絶えない」
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手甲 てっこう | 衣類、あるいは武具(防具)の一種。汚れ、外傷、寒さ、日射などから肌や体を守るために、上腕から手首や手の甲までを覆うようにして装着する、革や布でできた装身具のこと。「手甲、脚絆、四肢をかため」 |
四肢 しし |
両手と両足。手足。「手甲、脚絆、四肢をかため」
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攘夷 じょうい | 外敵を撃ち払って入国させないこと。 外国人を追い払って通交しないこと。 特に、幕末の外国人排斥運動をいう。「世が攘夷論さわぎで物情騒然となってくる」 |
物情騒然 |
世間の騒々しく、人の心が落ち着かない様子。「物情」は世間のありさま、世人の心情。 「騒然」は騒々しい様子。「世が攘夷論さわぎで物情騒然となってくる」
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牛頭天王 ごずてんのう | 日本における神仏習合の神。釈迦の生誕地に因む祇園精舎の守護神とされた。「牛頭天王に祈願をこめた」 |
⑤分倍河原
ワード | 意味「文中表現」 |
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爛 らん | ただれる。煮くずれる。くさる。うれすぎる。あざやか。はなやか。かがやく。「爛と光る黄金の巨眼」 |
諸方 しょほう | ほうぼう。 あちこち。 ここかしこ。 各地。「諸法を横行している尊攘浪士」 |
尊攘 そんじょう |
「尊皇攘夷(じょうい)」の略。天皇を中心と仰ぎ尊び、外国人を打ち払って日本に寄せつけないことを説く、政治思想。「諸法を横行している尊攘浪士」
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固陋 ころう | がんこで、見聞がせまいこと。また、考え方が古くて新しいものを受け入れないこと。「固陋な上州者に似合わず」 |
博徒 ばくと | 賭博を常習とする者、または賭博を業となす者を指す。「宿々には博徒が蟠踞し」 |
蟠踞 ばんきょ | 根をはってわだかまること。がんばって動かないこと。「宿々には博徒が蟠踞し」 |
刻限 こくげん |
定められた時刻。定刻。とき。時刻。「場所と刻限をよく伺って」
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福々しい ふくぶくしい | 顔がまるく頬がふっくらとしていて、見るからに金持で幸福そうである。 福相である。 また、見るからに福が多く豊かそうなさまである。「この福々しい長者を尊敬して」 |
下男 げなん |
男の召使。下僕。しもべ。「朝になったら下男でもやって片付けてほしいんだ」
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わいわい天王 わいわいてんのう | 大道芸の一種。 江戸時代、猿田彦の仮面をつけ、古い黒紋付の羽織と袴を着、粗末な両刀をさし、「わいわい天王騒ぐがおすき」などといって、牛頭天王の紙牌をまき散らし、戸毎に銭を乞い歩いた者。「変装するにも事欠いてわいわい天王に化けたり」 |
下司 げす | 中世日本の荘園や公領において、現地で実務を取っていた下級職員のこと。 「やることがどう考えても下司下根である」 |
下根 げこん | 仏語。教えを受ける性質・能力が生まれつき劣っていること。仏道を修行する力の乏しいこと。「やることがどう考えても下司下根である」 |
斥候 せっこう |
敵軍の動静・地形などをひそかに探り監視するために、部隊から差し向ける(少数の)兵。「と、いいふくめて斥候(ものみ)にした」
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卒塔婆 そとば | 卒塔婆は略して別名「塔婆(とうば)」ともいい、仏塔のことを意味しますが、一般的には『追善供養のために経文や題目などを書き、お墓の後ろに立てる塔の形をした縦長の木片のこと』を言います。「石塔、卒塔婆のあいだに歳三はすわりこみ」 |
講釈 こうしゃく | 文章の意味を説明してきかせること。また、物事の意義・価値などをもったいぶって説明すること。講談。「先日の講釈の太平記はちょうどこのクダリりだった」 |
衢地 くち | 孫子の兵法のひとつ。多くの勢力に隣接した交通の要衝。「兵法でいう衢地だ」 |
⑥月と泥
ワード | 意味「文中表現」 |
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御徒士 おかち | 江戸時代、将軍または大名の行列の先頭に立ち、通路の警戒をし、ふだんは城内の番所に詰めて警備に当たった侍。また、その役。御徒衆。かち。「亡父は江戸詰の御徒士だったから」 |
菊座 きくざ | 菊の花をかたどった 座金 ざがね 。 兜 かぶと や 鎧 よろい の飾りにする。 きくのざ。 衣服などの穴の周囲を放射状に糸でかがること。「お尻の菊座のあたりがむずむずして」 |
河床 かしょう | 河川の水でおおわれた部分の床。普通は上流から下流に移るにしたがって緩勾配(こうばい)「河床はしらじらとした砂地で」 |
橋脚 きょうきゃく | 橋脚とは、橋梁の上部構造の荷重を土台にして伝える橋梁の足に該当する下部構造の一つ。「橋脚の一本を抱くようにしてすわった」 |
衒気 げんき | 人に自分の才能などを見せびらかしたがる気持。「当時衒気があったのだろう」 |
後詰め ごづめ | 城を包囲した敵や布陣した敵の後方から攻撃すること。 また、その軍隊。 先陣の交替・補充のため、うしろに控えている軍勢。「さらに後詰めとして土地の博徒千人余りを地蔵河原に集結させた」 |
狼狽 ろうばい | うろたえ騒ぐこと。あわてふためくこと。「狼狽したばかりか」 |
燧石 ひうちいし | ほぼ純粋の珪酸から成る微晶質ないし非晶質の緻密な岩石。火打石として用いられた。「燧石を撃ちはじめた」 |
煙硝 えんしょう | 硝酸カリウムのこと。 火薬。「わら束に煙硝を仕込んである」 |
脂光り あぶらびかり | 油または汗やあかなどがついて黒く光っていること。「月が、脂光り(あかびかり)のした両肩にあたっていた」 |
雁首 がんくび |
キセルの、火皿(ひざら)の付いた頭部。ここに刻みタバコを詰めて火をつける。首・頭の俗称。「二人雁首をそろえて本街道を歩けるか」
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⑦江戸道場
ワード | 意味「文中表現」 |
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好悪 こうお | すききらい。「こんな殺伐な男でも物の好悪があるらしく」 |
帰府 きふ | 役所に帰ること。 都に帰ること。「御帰府早々びっくりさせちゃわるいが」 |
未曾有 みぞう | 「これまで一度たりとも起きなかったような、極めて稀な事態(珍事)」を意味する言葉。「未曾有の進歩をとげた」 |
蝟集 いしゅう | 一か所に群がり集まること「数千の剣術書生が、その門に蝟集している」 |
多士済々 たしせいせい | すぐれた人が多いこと。 人材が豊富であること。「江戸三大道場の一つといわれるほどだから、多士済々である」 |
滅法 めっぽう | 並々でないこと。度はずれていること。法外。「若いが、滅法できるらしい」 |
敏捷 びんしょう | すばしこいこと「敏捷鬼神のごとしという剣で」 |
鬼神 きじん きしん | 鬼神は、「きじん」または「きしん」と音読みした場合の第一義としては天地万物の霊魂あるいは神々を意味し、「おにがみ」と訓読みした場合は目に見えない精霊または荒々しく恐ろしい神を意味する。「敏捷鬼神のごとしという剣で」 |
感興 かんきょう | 物に感じて興がわくこと。その面白み。「歳三にはなんの感興もおこらない」 |
俊髦 しゅんぼう | 「髦」は髪の中で太くて長いものの意。転じて、ぬきんでること。衆にぬきんでた人。「なにもかもめぐまれた俊髦」 |
門地 もんち | いえがら「主君にも、門地にも、才能にも、すべての点でめぐまれている」 |
御意 ぎょい |
お考え。おぼしめし。「―のまま」。(目上の人の)指図(さしず)・命令の尊敬語。「御意のとおり」の略。そのとおり。「昨日御意を得ました」
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微笑 びしょう | ほほえむこと。ほほえみ。「七里は微笑を歳三の方角へまわして」 |
⑧桂小五郎
ワード | 意味「文中表現」 |
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講武所 こうぶしょ | 幕末に江戸幕府が設置した武芸訓練機関である。 諸役人、旗本・御家人、およびその子弟が対象で、剣術をはじめ、洋式調練・砲術などを教授した。「講武所の礼法どおり」 |
氣魄 きはく | 力強く立ち向かってゆく精神力のこと。「気組み、つまり、気力、氣魄のことだ」 |
撞木 しゅもく |
鐘・半鐘などを打ち鳴らす丁字形の棒。かねたたき。「古い剣法のように撞木に踏み構え」
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酒肴 しゅこう | 文字通りお酒を飲む際に添える食べ物である他にも、お酒を楽しむための歌や面白い話などと言った意味も持っています。「七里はわしが酒肴で応接する」 |
暫時 ざんじ | しばらくの間。「暫時、ご休息ねがいます」 |
眼福 がんぷく | 珍しいもの、貴重なもの、美しいものなどを見る幸せ。目の保養「眼福至極に存じました」 |
至極 しごく |
この上ないこと。きわめて。「眼福至極に存じました」
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話柄 わへい |
話す事柄。話題。「そんな話柄には興味がないらしい」
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料簡 りょうけん |
思いをめぐらすこと。考え。思案。こらえ許すこと。「それァよくないご料簡ですよ」
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大義 たいぎ | 人がふみ行うべき最高の道義。特に、国家・君主に対してつくすべき道。「大義に存じます」 |
諸肌 もろはだ | 左右両肩の肌。上半身の肌。「原田左之助が諸肌ぬぎになり」 |
木賃宿 きちんやど | 江戸時代、宿駅で、客の持参した食料を煮炊きする薪代(木銭、木賃)だけを受け取って宿泊させた、最もふるい形式の旅宿。 食事つきの旅籠(はたご)に対していう。「木家賃で、名だけは立派な江戸屋というんだ」 |
委細 | くわしいこと。こまごましたくわしい事情。「委細は沖田総司に云っておくが」 |
⑨八王子討入り
ワード | 意味「文中表現」 |
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韋駄天 いだてん | 仏教において天部に属する神である。韋陀、韋天将軍とも言われる。「土方さんは化け物ですね、韋駄天の」 |
健脚 けんきゃく | 足が強く、よく歩けること。また、その強い足。「たしかに鬼のような健脚である」 |
院主 いんじゅ |
寺院のあるじ。住持。「日向ぼっこをしていた老院主が」
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煎茶 せんちゃ | 煎茶は、緑茶の1つ。また、日本でよく飲まれるお茶の1つ。 狭義の「煎茶」とは日光を遮らずに栽培し、新芽を使い、何段階にも分けて茶葉を揉みながら乾燥させていく製法の緑茶である。「手ずから煎茶をいれてくれた」 |
息災 そくさい | 健康なこと。達者。無事。「ありがとう。息災だ」 |
愛嬌 あいきょう |
接すると好感を催させる柔らかな様子。見て(聞いて)笑いを覚えさせる感じ。「歳三は、愛嬌よく小首をかしげる」
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軒端 のきば | 軒のはし。また、軒に近い所。「宿場の軒端をつたいながら」 |
納屋 なや | 主に別棟に建てられた物置小屋のことである。 特に農家では農作物や農機具などを収納しておく小屋を指す。「ここに納屋がある」 |
翳る かげる | 今までさしていた光が弱くなる。特に、日光・月光が雲にさえぎられ、また、日光が夕方になって、弱まる。「日が―・って寒くなる」。比喩的に、先行きが思わしくなくなる。「そのとき陽がにわかに翳った」 |
堪忍 かんにん |
こらえてしのぶこと。怒りをしのんでとがめだてしないこと。他人の過失を怒らずがまんすること。「それは、堪忍」
|
自嘲 じちょう | 自分で自分の欠点・境遇・ふるまい等をあざけり笑うこと。自らを軽蔑(けいべつ)し、あざけること。「歳三は自嘲しない」 |
農閑期 のうかんき | 農作業のひまな時期。年間で農事の少ない期間。「農閑期に黒焼きにして薬研でおろし、散薬にする」 |
薬研 やげん | 薬研とは、薬材などを碾いて粉末化したり、磨り潰して汁を作ったりするための、世界に偏在する伝統的器具である。舟形の溝を彫った碾の「薬研」と、軸の付いた車輪状の碾き具「薬研車」からなる。「農閑期に黒焼きにして薬研でおろし、散薬にする」 |
性根 しょうね | 根本的な心の持ち方。心構え。根性(こんじょう)。「性根をすえて」 |
感泣 かんきゅう | 深く感じ入って泣くこと。感激して泣くこと。「みな、感泣します」 |
下知 げち | 上から下へ指図すること。 命令。 いいつけ。 「げじじょう(下知状)」の略。「その場で下知に従えばいい」 |
功徳 くどく |
神仏からよい報いを与えられるような、よい行い。世のため、人のためになるよい行い。神仏のめぐみ。御利益(ごりやく)。また、よい行いの報い。「功徳でいっているんだよ」
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往来 おうらい | 行ったり来たりすること。道路。通り。「往来に、侍がいた」 |
天水桶 てんすいおけ | 江戸時代、防火用水として、また飲用水や打ち水として天水(雨水)を溜めて利用するために作られた桶です。「天水桶の蔭に立っていたりして」 |
底意 そこい | 心の底。したごころ。「女はべつに底意あっての戯言ではなく」 |
戯言 ざれごと |
たわけた言いぐさ。ばかな言葉。世迷(ま)いごと。また、うわごと。「女はべつに底意あっての戯言ではなく」
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⑩スタス夕坊主
ワード | 意味「文中表現」 |
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下戸 げこ | 体質的に酒やアルコール飲料を飲めない人のことを言う。「同じ下戸でも近藤は酒席がすきで」 |
狡智 こうち | わるがしこい知恵。「女の狡智は、身をまもるために天から授かったものだ」 |
戯作 げさく |
たわむれに作った文章。特に、江戸時代の俗文学。読本(よみほん)・黄表紙(きびょうし)・洒落本(しゃれぼん)・人情本の類。「戯作の書き手である彼女は」
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埋伏 まいふく | 隠れてひそむこと。「明神の森に、埋伏させている」 |
殷賑 いんしん | 大変ににぎわって、盛んなさま。「この殷賑の八王子宿の往来で」 |
末孫 まっそん |
後代の子孫。「戦国武者の末孫だから」
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使番 つかいばん | 江戸幕府番方の職制。本来は戦時の軍陣にあって伝令・巡視の役目を務めた。古くは使役(つかいやく)ともいった。「使番の者が軒づたいに」 |
善男善女 ぜんなんぜんにょ | 仏道の教えに帰依した人々。 後に広く仏教を信仰する人々のことを指す。 また、寺院に参詣したり霊場を巡礼したりする人を指す語。「さあ、みなさん、善男善女」 |
勧請 かんじょう |
神仏の来臨を願うこと。神仏の分霊を請(しょう)じ迎えること。「この明神が坂東の地まで勧請されてきたものだろう」
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祠 ほこら | 神を祀る小規模な殿舎。「祠は、雑木林につつまれている」 |
飛地 とびち | 一つの国の領土や行政区画、町会等の内、地理的に分離している一部分である。「伊豆の韮山代官支配の飛地だときいているが」 |
扼す やくす | 強く押さえる。 締めつける。 要所を占める。「みだりに往来を扼して関銭をかせぐとあれば」 |
関銭 せきぜに | 関所を通過する人馬や貨物などに対して徴収した税。「みだりに往来を扼して関銭をかせぐとあれば」 |
願人坊主 がんにんぼうず | 江戸時代の乞食坊主。 代願人の坊主という意味。市中を歩き回って軽口,謎,阿呆陀羅経などを唱えて米銭を乞い,また人に代って代参,代待,祈願の修行,水垢離 (みずごり) などをして生計を立てていた。「うぬは、この願人坊主の伴か」 |
薙ぎはらう なぎはらう | 刃物を横にふるって切り払う。 勢いよく横に払う。「刀を横に薙ぎはらった」 |
昏倒 こんとう | 目がくらんで倒れること。「またたく間に六人を昏倒させ」 |
刃傷 にんじょう | 刃物で人を傷つけること。「この連中の喧嘩刃傷沙汰がたえない」 |
公卿 くげ | 公家の中でも日本の律令の規定に基づく太政官の最高幹部として国政を担う職位、すなわち太政大臣・左大臣・右大臣・大納言・中納言・参議ら(もしくは従三位以上(非参議))の高官(総称して議政官という)を指す用語である。 平安時代に公卿と呼ばれるようになった。「公卿を神輿にかついて」 |
神輿 みこし | 神輿、御輿(みこし、しんよ)は、通常、神道の祭の際に、普段は神社にいる神霊が氏子町内、御旅所などへ渡御するに当たって一時的に鎮まるとされる輿である。「公卿を神輿にかついて」 |
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⑪疫病神
ワード | 意味「文中表現」 |
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数奇 さっき | 「すうき」のなまり。ふしあわせ。不遇。境遇の変化の激しいこと。「京都で新選組を結成させるにいたった数奇は」 |
勅許 ちょっきょ |
天子のゆるし。勅命の免許。「京の勅許を待たずにみだりに洋夷に港を開いたからだ」
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洋夷 ようい | 西洋人をいやしめていう語。「京の勅許を待たずにみだりに洋夷に港を開いたからだ」 |
犀角 さいかく | 動物のサイ(犀)の角。「熱冷ましの犀角などはとても効かない」 |
花柳街 いろまち | 花街 花街(花町とも書く)(かがい、はなまち)とは、芸者屋、遊女屋が集まっている地域を指す名称である。 花柳(かりゅう)という別称もある。「夜舗も立たず、花柳街も、吉原、岡場所をとわず」 |
遊女 ゆうじょ | 遊女(ゆうじょ、あそびめ)は、遊廓や宿場で男性に性的サービスをする女性のことで、娼婦、売春婦の古い呼称。「遊女が罹患しているために」 |
罹患 りかん | 病気にかかること。「遊女が罹患しているために」 |
湯屋 ゆや | 銭湯のこと。「湯屋、風呂屋、髪結床といった公衆のあつまる場所」 |
髪結床 かみゆいどこ | 江戸時代、男の髪を結い、髭(ひげ)、月代(さかやき)などを剃る業。昔は結い賃が一銭だったことから一銭床ともいった。橋詰や河岸の空地などに床店を出す出床(でどこ)と、町屋に借家して営業する内床(うちどこ)がある。かみいどこ。髪結屋。髪床。床。浮世床。「湯屋、風呂屋、髪結床といった公衆のあつまる場所」 |
地虫 じむし | コガネムシ科の昆虫の幼虫の総称「地虫のように屋内で息をひそめている」 |
界隈 かいわい | そことその近辺。あたり。「小石川界隈と云うや地獄かとおもっていますぜ」 |
面妖 めんよう | 不思議なこと。奇妙。「しかし、面妖だな」 |
金穀 きんこく | 金銭と穀物。「金穀だけでなく、味噌、塩、薬までとりよせた」 |
悪疫 あくえき |
たちの悪い流行病。「悪疫の猖獗は」
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猖獗 しょうけつ | 悪い事がはびこること。「悪疫の猖獗は」 |
禄米 ろくまい |
禄(ろく)として給与する米。扶持米(ふちまい)。「歴とした禄米取りの武士といえば」
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水滸伝 すいこでん | 明代の中国で書かれた長編白話小説。「水滸伝中の梁山泊のような」 |
落胤 らくいん | 父親に認知されない庶子、私生児のこと。「伊勢の津の藤堂様のご落胤だと自称している」 |
槍術 そうじゅつ | 槍で戦う武術である。「根が槍術なのである」 |
精妙 せいみょう | 不思議なほどすぐれて巧みなこと。わざが細かくすぐれているさま。「剣術はあまり精妙でない」 |
荒法師 あらほうし |
あらあらしい僧。勇猛な僧。「源平時代の荒法師のような男」
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食扶持 くいぶち | 食料を買うためのお金、食費、などの意味の表現。 「扶持(ふち)」は給与や俸禄などの意味。「剣の代稽古で食扶持をかえすというわけにはいかない」 |
飯櫃 めしびつ | 炊き上がった飯を釜から移し入れて置く為の櫃である。 おひつ、お鉢(おはち)などともいう。 「原田君には飯櫃を一つあてがっておいてやれ」 |
筆跡 ひっせき | 書かれた文字。その文字の書きぶり。「筆跡のうまいやつには」 |
迎合 げいごう | 自分の考えをまげても、他人の意に従って気に入られるようにすること。「迎合阿諛の根性で」 |
阿諛 あゆ | 機嫌を取るためにへつらったり、口先で相手を誉めそやすようなことを言うこと。 おべんちゃらともいう。「迎合阿諛の根性で」 |
茶坊主 ちゃぼうず | 将軍や大名の周囲で、茶の湯の手配や給仕、来訪者の案内接待をはじめ、城中のあらゆる雑用に従事した。「その証拠に茶坊主、町井、俳諧師など」 |
俳諧師 はいかいし | 俳諧の連歌を職業とし、その点料を取って生活する人。 俳諧の宗匠。俳諧・俳句に巧みな人。 俳人。「その証拠に茶坊主、町井、俳諧師など」 |
慷慨悲歌 こうがいひか | 悲しげに歌い、世を憤り嘆くこと。 社会の乱れや自分の不運などを、憤り嘆くこと。 壮烈な気概のたとえ。「諸藩からあつまってくる慷慨悲歌の士が多く」 |
弁才 べんさい |
口で人をたくみに説き伏せる才能。また、口先でごまかす才能。弁舌の働き。「文武、弁才、方略に長けた戦国策士のような男」
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方略 ほうりゃく |
はかりごと。方策。「文武、弁才、方略に長けた戦国策士のような男」
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策士 さくし | はかりごとを巧みにする人。策略を使うのが好きな人。「文武、弁才、方略に長けた戦国策士のような男」 |
裁断 さいだん |
布・紙などを型に合わせて断ち切ること。物事の善悪・正邪を判断して断定すること。「老中板倉周防守の裁断で許可がおりたというのだ」
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跳梁 ちゅうりょう | 自由にはねまわること。はびこって自由に動きまわること。「京都ではかれらの跳梁のためにまったく無法地帯と化し」 |
檄文 げきぶん | 自分の主張を述べて同意を求め,行動への決起を促す文書。 「近国の剣術道場に檄文をとばした」 |
直参 じきさん | 主君に直接仕える家来。特に、江戸幕府に直属した一万石未満の武士。旗本(はたもと)・御家人(ごけにん)など。「いずれにせよ直参になれような」 |
牢人 ろうにん | 浪人とも書く。古代においては、本籍を離れ、他国で暮らす浮浪人をいう「これは戦国時代の牢人が」 |
窮乏 きゅうぼう | 貧乏に苦しむこと。「このままでは道場がいよいよ窮乏し」 |
執拗 しつよう |
ねばり強くしつこいこと。自分の主張・態度をまげず、容易に相手に従わないこと。「がまんできない執拗がある」
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徴募 ちょうぼ | つのり集めること。召しつのること。「もっとも徴募による閉鎖というより」 |
⑫浪士組
ワード | 意味「文中表現」 |
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肝煎 きもいり | 室町時代や江戸時代の各種の団体の世話役。「この幕府肝煎浪士組設立の情報は」 |
捨扶持 すてぶち |
特に役立つとは期待せず捨てるつもりで与える給与。「捨扶持三百頤石ながらも格式は」
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将軍家 たいじゅこう | 将軍家は、日本の中世において、征夷大将軍または近衛府大将に叙任された武家の棟梁が、政権を樹立する際に公家の家政制度に倣って創始したものである。「役目は、将軍家の警固だよ」 |
警固 けいご | 外敵の侵入に対して国家の防備を固め、あるいは非常の事態に対して天子の身辺を守ること。「役目は、将軍家の警固だよ」 |
獅子 しし | ライオンが元になっている伝説上の生物。左右の狛犬のうち、角が無いもの。獅子舞の獅子。中国伝来ということで唐獅子と呼ぶこともある。「有名な獅子心王リチャードのとき」 |
簒奪 さんだつ | 本来君主の地位の継承資格が無い者が、君主の地位を奪取すること。 あるいは継承資格の優先順位の低い者が、より高い者から君主の地位を奪取する事。 ないしそれを批判的に表現した語。「国を留守しているときに王弟が国を簒奪しようとした」 |
土豪 どごう |
その土地の豪族。「シャーウッドの森の土豪ロビン・フッドで」
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痛快無比 つうかいむひ | 比べようのないくらい愉快で愉快でたまらないこと。気持ちがすっとするほど愉快で心地よいこと。 「この森の英雄の痛快無比な物語は」 |
金子 きんす | 金の貨幣。また、広義では単に通貨のこと。「刀を購めます。金子を無心したいのです」 |
無心 むしん |
邪念が無いこと。(あつかましく)金や物を人にねだること。「刀を購めます。金子を無心したいのです」
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不逞 ふてい | けしからぬ態度や行い。「―を誇示する」。あたりをはばからず勝手にふるまうさま。「不逞浪人がわがもの顔で町を横行している」 |
狂刃 きょうじん | 正気でない傷害事件。「それらの狂刃から将軍をお護りするのです」 |
護持 ごじ | しっかりと守って保つこと。「護持する刀にも、それにふさわしい品位と斬れ味が要る」 |
傲岸不遜 ごうがんふそん | いばり返って、人を見下し、へりくだる気持ちがないこと。 また、そのさま。 傲岸無礼。「傲岸不遜な男が」 |
差料 さしりょう | 自分が腰に帯びるための刀。 腰差しとして用いる刀。 差前(さしまえ)。「浪人にはころあいの差料である」 |
運否天賦 うんぶてんぶ | すべて人の吉凶禍福は、天がそうさせるのだとすること。運を全く天に任せること。「刀にも、運否天賦の一生がございます」 |
蠟色 ろいろ | 「蠟色塗り」の略。黒みを帯びた漆を塗って、乾いてからつや出しをしたもの。「鞘は蠟色の黒漆」 |
挙措 きょそ |
立ち居ふるまい。「挙措がおかしくなった」
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戌ノ下刻 いぬのげこく | 現在の21時。「ついに出逢った。戌の下刻」 |
⑬清河と芹沢
ワード | 意味「文中表現」 |
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普請 ふしん | 土木・建築の工事。「知っているいかなる豪族よりも、普請がいい」 |
前栽 ぜんざい |
庭先に植え込んだ草木。また、花木や草花を植え込んだ庭。「前栽もの」の略。青物。野菜。「前栽、中庭などは、数寄者がみればふるえの来そうな雅致がある」
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雅致 がち |
風流なおもむき。雅趣。「前栽、中庭などは、数寄者がみればふるえの来そうな雅致がある」
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武骨者 ぶこつもの | 礼儀・作法を知らない者。 洗練されていない人。 無骨人。「武骨者の近藤が」 |
目付役 めつけやく | 普段の行動などを監視し取り締まる役柄・役職。 またはそうした役職の人。 「御目付け」とも言う。「幕府から目付役として来ている」 |
平素 へいそ | ふだん。つね日ごろ。へいぜい。「平素自分の飼っている用心棒」 |
膳部 ぜんぶ |
ぜんにのせて供する食物。料理。「どの膳部にも、壬生菜のつけものがついていた」
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讃美 さんび | ほめたたえること。「山南は、京のものならなんでも、讃美した」 |
礼賛 らいさん | 立派(な人)だと崇(あが)めたたえること。「山南が礼賛している壬生菜は」 |
博識 はくしき | 広く物事を知っていること。知識が広いこと。「博識な弁口家清河八郎を尊敬している」 |
弁口 べんこう |
口のきき方。口先がうまいこと。「博識な弁口家清河八郎を尊敬している」
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門扉 もんぴ |
門のとびら。「下男が、門扉をひらいた」
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八双金具 はっそうかなぐ | 門扉・板戸などに打ち付ける装飾用の金具。 形により、入り八双・出八双・散らし八双などがある。「大名屋敷のようにずらりとした八双金具を打ってある」 |
紅殻 べんがら | 弁柄(べんがら、オランダ語: Bengala 、紅殻とも表記)あるいは酸化鉄赤(英語: Red Iron Oxide )は、赤色顔料・研磨剤のひとつ。 「壁に紅殻がぬられ」 |
京格子 きょうごうし | 縦に細かく連子(れんじ)を打ちつけた格子。 さらに細かく打ったものを江市屋(えいちや)格子などという。「窓に繊細な京格子がはめられていて」 |
末座 まつざ |
しもざ。末席。「歳三らは、その末座をあけてもらって」
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須弥壇 しゅみだん | 須弥壇(しゅみだん)とは、仏教寺院において本尊を安置する場所であり、仏像等を安置するために一段高く設けられた場所のこと。「本堂須弥壇の右手に、山岡ら幕臣がならび」 |
幕臣 ばくしん | 府の臣下。 将軍直属の家臣。 旗本や御家人。「本堂須弥壇の右手に、山岡ら幕臣がならび」 |
憮然 ぶぜん | 意外な成り行きに驚いたり自分の力が及ばなかったりで、ぼうっとすること。「憮然として、あごをなでていた」 |
燭台 しょくだい | ろうそくを立てるための台である。蝋燭(ろうそく)立て、蝋燭台、火立て、キャンドルスティック、キャンドルスタンドとも称される。「燭台が五つばかりおかれている」 |
充溢 じゅういつ | 満ちあふれること。「気力充溢し、態度は満堂をのんでおり」 |
満堂 まんどう |
堂にいっぱいになること。また、堂に集まった人全部。満場。「気力充溢し、態度は満堂をのんでおり」
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碧血 へきけつ | (中国、周の萇弘(ちょうこう)が君主を諫めるために自殺したところ、その血が凝って碧玉になったという故事から) 熱血誠忠の士の流す血。 忠誠心のきわまるところ。「われわれの碧血を何のために流すべきか」 |
剽勇 ひょうゆう | 襲う。おびやかす。かすめ取る。すばやい。「諸君はいずれも剽勇敢死の士である」 |
敢死 かんし | 死を覚悟すること。 必死。 決死。「諸君はいずれも剽勇敢死の士である」 |
上洛 じょうらく | 主に京都に入ることを意味する言葉である。入洛とも言った。「近く上洛する将軍の護衛」 |
天朝 てんちょう | 朝廷。「朝廷」は,天皇や貴族が政治を行う場所やしくみのことです。 「われわれは天朝の兵となって働く」 |
旗幟 きし | 合戦(かっせん)のおり、自分の存在を明らかにするために立てるはた・のぼり。旗じるし。転じて、表立って示す立場・主張。「反幕行動の旗幟を鮮明にあげた」 |
汝ら うぬら | 相手を卑しめて、ぞんざいに言う。 おまえら。「汝らは自分の爪牙になっておればよい」 |
爪牙 そうが |
つめと、きば。手先となって働く者。「汝らは自分の爪牙になっておればよい」
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建白 けんぱく | 政府・上役などに自分の意見を申し立てること。またその書面。「清河の建白は大いに禁裡を動かし御感斜めらずと叡慮が清河らに、漏れ下達された」 |
禁裡 きんり | 皇居。御所。宮中。「清河の建白は大いに禁裡を動かし御感斜めらずと叡慮が清河らに、漏れ下達された」 |
御感 ぎょかん |
感ずること、ほめることの尊敬語。特に天子について言う。「清河の建白は大いに禁裡を動かし御感斜めらずと叡慮が清河らに、漏れ下達された」
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叡慮 えいりょ | 天子のお考え・御意向。「清河の建白は大いに禁裡を動かし御感斜めらずと叡慮が清河らに、漏れ下達された」 |
下達 かたつ | 上の者の意思を下の者に通じさせること。「清河の建白は大いに禁裡を動かし御感斜めらずと叡慮が清河らに、漏れ下達された」 |
節義 せつぎ | 志を変えず、人としての正しい道をかたく守ること。「男くさい節義があった」 |
巨軀 きょく |
大きな体。巨体。「巨軀をもち、力は数人力はあるという」
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酩酊 めいてい | 過度の飲酒や薬物の吸飲などで、大脳が軽い麻痺を起こし、自己抑制や判断力が低下し、誇大妄想的気分になった状態。 酔っぱらった状態。「したたかに酩酊していて」 |
大公儀 おおこうぎ | 藩は領民に対しては公儀であったが,幕府の裁判による処刑が公儀御仕置であり大名・旗本によるそれが自分仕置と呼ばれたように,大公儀(おおこうぎ)である幕府に対しては私であった。 「これは大公儀の信頼に対する、武士としての裏切り行為である」 |
⑭ついに誕生
ワード | 意味「文中表現」 |
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入洛 じゅうらく | 都である京都にはいること。「入洛後まず熱中したしごとは」 |
領袖 りょうしゅう | 集団のかしらや主だった人。「領袖の芹沢鴨は粗豪で」 |
粗豪 そごう | あらあらしいこと。 たけだけしいこと。 また、そのさま。「領袖の芹沢鴨は粗豪で」 |
鉄扇 てっせん | 鉄扇は武家社会のおり、刀を持てない場所などにおいて護身用に携帯した鉄でできた扇子です。「話しながら、大鉄扇で、ばしばしと膝をたたく」 |
尽忠報国 じんちゅうほうこく | 忠義を尽くして国家に報いること。「鉄扇には尽忠報国ときざんである」 |
巧言 こうげん |
言葉をかざってうまく言うこと。また、その言葉。「必死の努力で、巧言をいった」
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軽挙 けいきょ |
軽はずみな行動(=挙)をすること。「芹沢鴨に軽挙妄動されてはなにもかもぶちこわしになる」
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妄動 もうどう | 分別を欠いた行動。「芹沢鴨に軽挙妄動されてはなにもかもぶちこわしになる」 |
朴念仁 ぼくねんじん |
無口で愛想がない人。物の道理が分からない人。分からず屋。「私は、朴念仁でしかありませぬ」
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令色 れいしょく | こびへつらう顔つき。「人に巧言令色を用いる男だとお思いになりますか」 |
誅戮 ちゅうりく | 罪ある者を殺すこと。「清河八郎を誅戮してもよい」 |
正念場 しょうねんば |
歌舞伎(かぶき)などで、主人公がその役の性根(しょうね)、役柄を発揮する、最も重要な場面。転じて、ここぞという大事な場面・局面。「いまの時期の近藤系の正念場なのだ」
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金飛脚 かねびきゃく | 江戸時代、江戸と大坂にある幕府の御金蔵を往復するほか、公私金銀の運送に従事した飛脚。 千両箱を馬に乗せて運搬したという。「金飛脚を差し立ててくれている」 |
戦慄 せんりつ | 恐ろしくて、ふるえること。「京を戦慄させる男になろうとは」 |
下座 げざ しもざ | 下位の座席。末席。しもざ。末席。「武士があらわれて、下座で一礼した」 |
来駕 らいが | 他の人を敬って、その人が訪問することをいう語。来車。「わざわざ御来駕、痛みいりまする」 |
他愛 たわい | 自分の利益より、まず他人の幸福を願うこと。愛他。「他愛もない戯言をいったり」 |
本夕 ほんせき | 今日の夕方。 今夕。「本夕は、愉快でしたな」 |
傀儡師 かいらいし | 傀儡師かいらいし 人形遣いの古称。 「傀儡子」とも書く。 中国で操 (あやつり) 人形を傀儡と呼び,日本では平安時代に,日本古来の「くぐつ」の語をあて,人形遣い (傀儡師) を,「くぐつ,くぐつまわし」などと称した。「清河も、その傀儡師のひとりである」 |
安堵 あんど |
物事がうまく行って安心すること。封建時代に、権力者から土地所有権を確認されること。以前の知行(ちぎょう)地をそのまま賜ること。「あまりにもあけっぴろげな走り方に安堵し」
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素志 そし |
平素からのこころざし。「われわれの攘夷の素志は天聴に達し、勅諚まで頂戴した。」
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天聴 てんちょう |
天皇が聞くこと。「われわれの攘夷の素志は天聴に達し、勅諚まで頂戴した。」
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勅諚 ちょくじょう |
天皇の仰せ。「われわれの攘夷の素志は天聴に達し、勅諚まで頂戴した。」
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駐屯 ちゅうとん | 陸軍部隊が、ある目的で一時期、または時期を定めないで、ある土地にとどまること。 兵営を有する点で駐留、駐軍などと異なり、また国内の常置部隊である衛戍とも異なる。「壬生に駐屯している」 |
⑮四条大橋
ワード | 意味「文中表現」 |
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守護職 しゅごしき | 守護(しゅご)は、日本の鎌倉幕府・室町幕府が置いた武家の職制で、国単位で設置された軍事指揮官・行政官である。将軍により任命され、設立当時の主な任務は、在国の地頭の監督であった。 鎌倉時代は 守護人奉行 ( しゅごにんぶぎょう ) といい、室町時代には 守護職 ( しゅごしき ) といった。「京都守護職会津中将様のお声がかかり」 |
食膳 しょくぜん | 膳(ぜん)に載せて出す食物。料理。また、料理を載せる膳。「養父周斎老人の食膳には三日に一度は魚をつけたが」 |
候 こう | 伺候(しこう:貴人のそば近くに居て仕えること。また、貴人の御機嫌伺いに行くこと。)する相手や、存在する場所の主を敬って用いる謙譲語。貴人や敬うべき人のおそばに控える。伺候する。「会津候にまで」 |
豪奢 ごうしゃ | 大層ぜいたくで、はでなこと。「食うものも着るものも、豪奢であった」 |
夕餉 ゆうげ | 夕方の食事。夕食。夕飯。「朝起きれば夕餉の膳の米のめしの心配からせねばならぬ」 |
遊興 ゆうきょう | 面白く遊ぶこと。遊び興ずること。特に、料理屋・待合などで遊ぶこと「遊興にふけり隊務懈怠のかどにより」 |
懈怠 げたい | なまけること。おこたり。「遊興にふけり隊務懈怠のかどにより」 |
質朴 しつぼく | 飾りけがなく純真・素直なこと。「ご質朴なものでござる」 |
皇城 こうじょう | 天子の住んでいる所。 天皇の住む御所。 宮城。 皇居。「皇城鎮護」 |
鎮護 ちんご | 乱をしずめて外敵・災難からまもること。「皇城鎮護」 |
遊説 ゆうぜい |
意見・主張を各地に説いてまわること。特に政治家が各地を演説してまわること。「徴募の遊説は、われわら武州派の手でやることだな」
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士官 しかん | 兵の指揮をとる武官の通称。「士官である助勤は内務では隊長の補佐官であり」 |
外套 ぐわいたう | 防寒などのため、衣服の上に着るゆったりした外衣。「浪士、一様に外套を着し、長刀地に曳き」 |
曳く ひく | 引くような動作によって、ある区間を経て行かせる、または届かせる引っ張って移動させる。地をすって行く。引きずる(ように動かす)。「浪士、一様に外套を着し、長刀地に曳き」 |
⑯高瀬川
ワード | 意味「文中表現」 |
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御仁 ごじん | 他人の敬称。お方。お人(ひと)。「野沢帯刀という御仁でございます」 |
所司代 しょしだい | 幕府の役職。 侍所の長官を所司といい,武士の統制,朝廷,幕府の警固,京都市中の取締りを職務とし,管領に次ぐ重職であった。 所司が設置した代官を所司代という。「所司代と違って、新選組には、事件の動機、経緯などはどうでもよかった」 |
番所 ばんしょ | 番人が詰めている所。 ばんどころ。 2 江戸時代、交通の要所に設けて、通行人や船舶などを見張り、積み荷の検査や税の徴収などを行った所。「木綿の皮色の羽織をぬぎ、くるくるとまとめて番所にほうりこむと先斗町の狂斜の軒下をあるきだした」 |
狂斜 きょうしゃ | 《中国の長安で、遊里のあった道幅の狭い街の名から》遊里。色町。「木綿の皮色の羽織をぬぎ、くるくるとまとめて番所にほうりこむと先斗町の狂斜の軒下をあるきだした」 |
癆痎 ろうがい |
肺病(の人)。「ときどき咳をする。癆痎にでもおかされているのではないか」
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巣窟 そうくつ |
盗賊・悪党などが住んでいる場所。かくれが。ねじろ。「攘夷浪士の巣窟とってもいい町だ」
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雑掌 ざっしょう | 奈良・平安時代、四度の 使 つかい に随行した諸国の官人。 平安時代以降、 国衙 こくが で公文書を扱った役人の職名。 中世、本所・領家のもとで荘園に関する訴訟や年貢・ 公事 くじ の徴収などの任にあたった荘官。「九条家の雑掌某を斬ったのはお手前方であろう」 |
詮議 せんぎ | 評議して物事を明らかにすること。また、罪人の取調べ・捜査。「詮議をする。隊までご同道ありたい」 |
同道 どうどう | 付き従って、または、引き連れて、行程を共にすること。「詮議をする。隊までご同道ありたい」 |
鴨居 かもい | 和室のや障子などの建具を立て込むために引き戸状開口部の上枠として取り付けられる横木。「ぐわっ、と鴨居が鳴った」 |
剣戟 けんげき |
刀で切り合う戦い。「剣戟におそれをなしたのか」
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会所 かいしょ | 人の集会する所。また、そのための建物や室。会宿。公家、武家、寺社の住宅に設けられた施設の一つ。「会所に入ると」 |
兇賊 きょうぞく |
乱暴で、むやみに人を殺傷する賊。「九条橋畔で九条関白家の家来野沢帯刀どのを斬った兇賊六人が」
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番茶 ばんちゃ | 日本で飲まれる緑茶の一種。「番茶が咳の薬にもなるまいが」 |
喧しく かまびすしく | 音や声などが大きかったり、多く入り交じったりして、神経をいらだたせる。 騒がしい。 こまごまとした感じで、煩わしい。「犬があちこちで喧しく鳴きはじめた」 |
屈強 くっきょう | きわめて力の強いこと。「いずれも、屈強の武士である」 |
狼藉 ろうぜき | 物が散らされていること。乱雑な様子。ちらかった様子。乱暴なふるまい。「狼藉をはたらいた者であるな」 |
⑰祇園「山の尾」
ワード | 意味「文中表現」 |
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大路 おおじ | はばの広い道。大通り。「この町のどの大路も露地も、にわかに念仏、鉦、読経の声にみちる」 |
露地 ろじ | 茶庭(ちゃてい、ちゃにわ)とも呼ばれる茶室に付随する庭園である。「この町のどの大路も露地も、にわかに念仏、鉦、読経の声にみちる」 |
読経 どきょう | 仏式の法要の際、亡くなった人の供養のために僧侶が読み上げるお経のこと。「この町のどの大路も露地も、にわかに念仏、鉦、読経の声にみちる」 |
抹香 まっこう | 焼香・抹香について … 焼香とは仏教伝来とともに伝わった刻んだ香木や、漢薬などを混ぜ合わせたものです。「着物の縫目まで抹香のにおいがしみそうだ」 |
発心 ほっしん | 思いたつこと。出家して仏門に入ること。菩提(ぼだい)心を起こすこと。「にわかに発心して手習いをはじめた」 |
徹頭徹尾 てっとうてつび | 最初から最後まで(押し通して)。どこまでも。あくまで。「近藤の手習いは、徹頭徹尾、瀬山陽の書風のまねであった。勤王運動源流になったこの文学者の書風も近藤がもっとも好んだ」 |
勤王 きんのう | 天子のために忠義を尽くすこと。 特に、江戸末期、徳川幕府を倒し、天皇親政を実現しようとした思潮。 また、その政治運動。 尊王。「近藤の手習いは、徹頭徹尾、瀬山陽の書風のまねであった。勤王運動源流になったこの文学者の書風も近藤がもっとも好んだ」 |
諸事 しょじ | いろいろの事。さまざまの用。「私は我流でゆく、諸事。」 |
鋳型 いがた | 鋳物を鋳造するための型。金属をとかしてそれに流しこむ。「そんな妙な鋳型を学んで」 |
今暁 こんぎょう |
きょうの夜明け方。「今暁、千本松原で斬られていた隊士は」
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紊乱 びんらん | みだすこと。 また、みだれること。 ぶんらん。「隊律紊乱の最大の悪であった」 |
長詩 ちょうし | 長い詩。 長い形式の詩。 多くは構想雄大で、物語的・叙事的性格が強い「へたな筆でかあれた長詩を」 |
股肱 ここう | 一番頼みとする部下。手足と頼むもの。「水戸以来の芹沢の股肱の子分で、腕もたつ。弁もたつ。学もある、小才もきく」 |
小才 こさい | ちょっとした才知・機転。「水戸以来の芹沢の股肱の子分で、腕もたつ。弁もたつ。学もある、小才もきく」 |
陣所 じんしょ | 軍勢がたむろする営所。陣屋。陣営「天満の仮陣所に駆こんできた男で」 |
迂遠 うえん | 直接に目的に迫るようなものでなく、まわり遠いこと。世事にうとく、実用に適していないこと。「いや、いっこうに迂遠です」 |
美妓 びぎ |
美しい芸者。「僧と美妓は、いかなる権門のひいきがあるかもしれず」
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権門 けんもん |
官位が高く権勢がある家。「僧と美妓は、いかなる権門のひいきがあるかもしれず」
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贔屓 ひいき |
自分の気に入った者に目を掛け力を添えて助けること。「―の引き倒し」(ひいきをして、かえってその人を不利に導くこと)。また、そうする人。後援者。「僧と美妓は、いかなる権門のひいきがあるかもしれず」
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怯懦 きょうだ | おくびょうで気の弱いこと。「罪あるは斬る。怯懦なるは斬る。隊法を紊す者は斬る。隊の名を瀆すは斬る」 |
紊す みだす | 秩序だったものを混乱させる。 みだらかす。 みだらす。「罪あるは斬る。怯懦なるは斬る。隊法を紊す者は斬る。隊の名を瀆すは斬る」 |
瀆す けがす | 涜す 「けがす」と読んで「汚す」や「穢す」と同じ意味合いで用いられる語。 とりわけ「冒瀆」「瀆神」「自瀆」などの語を念頭において用いられることの多い表記。「罪あるは斬る。怯懦なるは斬る。隊法を紊す者は斬る。隊の名を瀆すは斬る」 |
総帥 そうすい | 全軍を指揮するリーダー。 最高指揮官・最高司令官。 (比喩)巨大なグループ、特に財閥などの企業集団において、全体を統括するリーダー。「あんたは、総帥だ」 |
登楼 とうろう |
高殿に登ること。妓楼(ぎろう)にあがって遊興すること。「近藤と一緒に登楼ったとき」
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大夫 こったい | 中国での官位の呼称。卿(けい)の下、士の上に位する執政官で、上大夫、中大夫、下大夫の三等に分かれる。 秦、漢以後も御史大夫、光祿大夫などの官名があるが、周代の制とは異なる。「桂木大夫という大夫と遊んだ」 |
金蒔絵 きんまきえ | 金粉を用いて作った蒔絵。「大名道具のような金蒔絵の盤をもちだしてきたが」 |
懇意 こんい | 親しく交際して、仲のよい間柄であること。「懇意の仲居に耳打ちしてくれた」 |
爪弾き つまびき |
三味線(しゃみせん)などを(ばちを使わず)指先でひくこと。「爪弾きの音がきこえる」
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⑱士道
ワード | 意味「文中表現」 |
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酒興 しゅきょう | 酒を飲んで楽しむこと。また、その楽しい気分。酒宴の座興。「新見先生。御酒興をさまたげるようですが」 |
佩刀 はいとう |
刀・サーベルを腰に帯びること。その刀・サーベル。「手を、佩刀に走らせた」
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介錯 かいしゃく | 世話をする、介抱すること。 またその人をさす。 とくに切腹(せっぷく)する人のそばにつき、首を切ること。「心得ています。介錯の太刀はこの土方歳三がとります」 |
撞 どう | 先の鋭い物で、勢いよく刺し通す。 腕や棒状の物などで強く押す。(撞) 棒などの先端をうち当てて鳴らす「撞と倒れ」 |
懐紙 かいし ふところがみ | 懐に入れて携帯するための小ぶりで二つ折りの和紙のことである。手にして持ち歩いている紙という意味で手紙(てがみ)ともいう。「懐から懐紙をとり」 |
照鑑 しょうかん | 照らし合わせて考えること。神仏、また、天皇、上皇などが明らかにご覧になること。 照覧。「士道に照鑑して愧ずるなき者の隊士たりうる」 |
愧じる はじる | 恥ずかしいと思う。 面目なく思う。名誉などを傷つける。「士道に照鑑して愧ずるなき者の隊士たりうる」 |
論客 ろんきゃく | 好んで議論をする人。 また、何事に関してもひとかどの意見をもち、それを堂々と述べたてる人。 議論家。 ろんかく。「芹沢は、論客の多い水戸藩の出身である」 |
疎剛 そごう | あらあらしく強いこと。あらっぽくたけだけしいこと。また、そのさま。「疎剛とはいえ、議論の仕方を知っている」 |
強剛 きょうごう | 強くて屈しないこと。 手ごわいこと。 また、その人。「この地は、天下に強剛を誇った坂東武者の輩出地であった」 |
懦弱 だじゃく |
いくじがないこと。体をきたえないで、弱々しいこと。「懦弱な江戸時代の武士ではない」
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復仇 ふっきゅう | あだをうつこと。かたきうち。しかえし。「その夜からかれらは復仇を企てるべきだったが」 |
酒色 しゅしょく | 酒を飲むことと、女遊びをすること。「酒色に沈湎した」 |
沈湎 ちんめん | やたらに酒を飲んで(悩み・不平などをまぎらし)すさんだ生活をすること。「酒色に沈湎した」 |
手籠め てごめ | てひどい仕打ち。暴力で人に害を加えること。強姦(ごうかん)。「これを手籠めにし、借金は払わぬばかりか、お梅と屯営で、同棲同然の荒淫な生活をし」 |
屯営 とんえい | 軍勢・軍隊が集団でいて、宿りもする(一時的ではない)建物。そこに休み宿ること。「これを手籠めにし、借金は払わぬばかりか、お梅と屯営で、同棲同然の荒淫な生活をし」 |
荒淫 こういん |
過度に色事にふけること。「これを手籠めにし、借金は払わぬばかりか、お梅と屯営で、同棲同然の荒淫な生活をし」
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草紙 そうし |
とじた本。冊子本(さっしぼん)。絵を多く入れた大衆的な読物の本。「手習草紙に左という文字を書いた」
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随順 ずいじゅん | おとなしく従うこと。従ってさからわないこと。「近藤への随順は、動物的なものがあった」 |
一季半季 いっきはんき | 江戸時代、奉公の期間を一季(一年)または、半季(半年)と約束すること。 また、その奉公人。 転じて、江戸時代の奉公人の総称。 ひときはんき。「原田は松山藩の一季半季の傭い中間という卑賤から身をおこし」 |
中間 ちゅうげん | 古くからおもに武家方にみられた軽格の奉公人の一つ。 戦国時代に広範に成立し、江戸時代には足軽と小者との中間の身分とされた。 「原田は松山藩の一季半季の傭い中間という卑賤から身をおこし」 |
卑賤 ひせん | 身分が低く、いやしいこと。「原田は松山藩の一季半季の傭い中間という卑賤から身をおこし」 |
肩胛骨 けんこうこつ |
肩にあって腕と脊柱(せきちゅう)とを結びつける骨。かいがらぼね。「肩胛骨にあたって、十分に斬れない」
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鎌首 かまくび | 鎌(かま)のような形の首。主に蛇がもたげた首を言う。「平山が鎌首をたてた」 |
⑲再会
ワード | 意味「文中表現」 |
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小糠雨 こぬかあめ | 霧雨(きりさめ、きりあめ)または小糠雨(こぬかあめ)は、霧のような細かい雨のこと。文学など、色々なシチュエーションで使われている。「朝から小糠雨がふった」 |
中壺 なかつぼ | つぼの中。 臆病な者。小心者。「廊下をわたり、中壺の東側まできたとき」 |
華葱窓 かそうまど | 火灯窓・花頭窓(かとうまど)は、おもに日本の、寺社建築・城郭建築・住宅建築などに見られる、上枠を火炎形(火灯曲線)または、花形(花頭曲線)に造った特殊な窓である。「歳三は華葱窓にむかっている」 |
硯箱 すずりばこ | 硯その他を納めておく箱である。硯の他には筆、墨、水滴、小刀、尺、暦などをも納めることがある。「窓の前に硯箱が一つ」 |
精励 せいれい | 精力を出してつとめ励むこと。「なかなかの御精励ですな」 |
瘧 おこり |
間歇(かんけつ)熱の一種。多くはマラリアを指す。「月に一度、瘧をわずらうようにして」
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苦吟 くぎん | 苦心して詩歌を作ること。またその詩歌。「御苦吟なさる」 |
句作 くさく | 俳句を作ること。「句作帖をのぞきこんでいる」 |
妓 ぎ | 遊芸を売る女。芸者。色を売る女。遊女。「若いころ府中宿へ妓を買いに行き」 |
噺 はなし | はなし。ものがたり。「春の夜はむつかしからぬ噺かな」 |
床上手 とこじょうず | 床あしらいが上手なこと。 閨房(けいぼう:ねや。寝室。また、婦人の居間。)の技術にたけていること。 また、そのさま、その人。「床上手で知られた京の遊び女でも」 |
恋慕 れんぼ | 異性を恋い慕うこと。「にわかに人のいう恋慕のようなものが突きあげてきて」 |
物憂 ものう・い | 気がすすまずおっくうである。 何となく倦(う)みつかれて身心がすっきりしない。 だるく大儀である。 何となく心がはればれとしない。「なにか物憂くなった」 |
落飾 らくしょく | 貴人が髪(=飾)をそりおとして仏門にはいること。「いまは落飾して九条村に隠遁している」 |
隠遁 いんとん | 交わりを絶って俗世間からのがれて暮らすこと。「いまは落飾して九条村に隠遁している」 |
境涯 きょうがい |
人がこの世に生きてゆく上での立場。境遇。身の上。「佐江の境涯がどうなっているのか、歳三はちょっと気になった」
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綾小路 あやのこうじ | 宇多源氏の流れを汲む公家・華族。「綾小路を東へどんどん歩き」 |
里下り さとおり | 奉公人が休みをもらって、親もとへ帰ること。 さとさがり。「わたしが、お里下がりのときに、ここを休息所に使っています」 |
⑳二帖半敷町の逆
ワード | 意味「文中表現」 |
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逢瀬 おうせ | ふたりが会う折。面会の時。特に、男女がひそかにあうこと「この逢瀬は、馬小屋で媾合する作男の野合にひとしい」 |
媾合 こうごう | 男女が交わること。「この逢瀬は、馬小屋で媾合する作男の野合にひとしい」 |
作男 さくおとこ |
やとわれて農耕をする男。「この逢瀬は、馬小屋で媾合する作男の野合にひとしい」
|
小柄 こづか | 日本刀に付属する小刀の柄である。また、小刀そのものを指して言うこともあり、打刀などの鞘の内側の溝に装着する。「脇差しから、小柄をぬいた」 |
震撼 しんかん | 強いショックで震え動くこと。また、震え動かすこと。「京を震撼させている新選組副長としての」 |
侮蔑 ぶべつ | 人をあなどり無視した扱いをすること。「ちょっと、侮蔑するようにいった」 |
垢 あか |
皮膚のうわ皮が汗・あぶら・ほこりとまじって出るよごれ。水の中の不純物がうつわの底などにたまってついたもの。水あか。「着物のすそが垢じみていて」
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勤仕 ごんし | 職務をつとめること。 また、その人。 ごんし。「九条家に勤仕しているのかね」 |
情夫 じょうふ |
みだらな関係として見た場合の、愛人である男。いろ男。「亭主か、情夫を持っているのにちがいない」
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隠棲 いんせい | 俗世間をのがれて静かにくらすこと。「九条関白が失脚して洛南九条村に隠棲してからは」 |
御坊 ごぼう | 仏教寺院・僧侶などに対する尊敬語。 · 火葬場において死者を荼毘に付し、遺骨にする仕事に従事する作業員のこと。「宝鏡寺尼門跡の里御坊だった大仏裏の古家に住み」 |
烈女 れつじょ |
気性が激しく操(みさお:意志を変えず、身をかたく持すること。節操。)がかたい女。「勤王烈女、といった存在になっている」
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無頼漢 ぶらいかん | 無頼な男。 ならずもの。 ごろつき。「国許もさだかでない無頼漢同然の志士もいた」 |
出格子 でごうし | 外部へ張り出して作った窓の格子。「歳三は、出格子のかげで、からだを細くした」 |
鯉口 こいぐち | 刀の鞘 (さや) の口。「鯉口を切った」 |
蹲踞 そんきょ | うずくまること。 しゃがむこと。 そんこ。 貴人が通行するとき、両ひざを折ってうずくまり、頭を垂れて行う礼。「路上に蹲踞している男を発見」 |
銹び さび |
金属の表面が空気や水に触れて生ずる、酸化物などの化合物。悪い結果。「錆びた声がきこえた」
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低徊 ていかい | 思いにふけりながら、ゆっくり歩きまわること。「なんの感傷も低徊もない」 |
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㉑局中法度書
ワード | 意味「文中表現」 |
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定府 じょうふ | 江戸時代、老中・若年寄・諸奉行などの現職にある者が参勤交代をしないで、江戸に常住すること。 また、諸大名の藩士が常に江戸藩邸に詰めることにもいう。 常江戸。「長州藩の定府の御徒士でね」 |
因縁 いんねん | 物事はすべて、その起原(=因)と、果を結ばせる作用(=縁)とによって、定められていること。転じて、物事の持っている定まった運命。「長州藩とはいろいろ因縁がある」 |
狡猾 こうかつ | 悪賢いこと。「歳三の狡猾な誘い手である。果然、半ばぬいだ隙きをねらって」 |
果然 かぜん | 予想が目前の事実になって現れるさま。はたして。はたせるかな。「歳三の狡猾な誘い手である。果然、半ばぬいだ隙きをねらって」 |
沸る たぎる | 湯がにえたぎる。たぎり立つ。わく。わきたつ。「妙に沸って調子づいた野郎に仕掛ける」 |
禁闕 きんけつ |
皇居。内裏(だいり)。御所。もと、皇居の門。「禁闕の御静安をおまもりする」
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怯者 きょうしゃ | 臆病な人。「未熟者もおれば、怯者もいる」 |
蟄居 ちっきょ | 中世から近世(特に江戸時代)武士または公家に対して科せられた刑罰のひとつで、閉門の上、自宅の一室に謹慎させるもの。 「在来の武家社会にあった閉門、蟄居といったなまぬるいものではない」 |
係累 けいるい |
(親・妻子など)面倒を見なければならない家族たち。「芹沢鴨とその係累を一掃した直後」
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使臣 ししん |
君主の代理、国家の代表として外国に派遣される使者。「当時日本にきた外国の使臣がみな奇異の念をもったことだ」
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奇異 きい |
普通と特に様子が変わっていること。「当時日本にきた外国の使臣がみな奇異の念をもったことだ」
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陋習 ろうしゅう | わるい習慣。「その陋習を、新選組は苦もなく破っている」 |
強靭 きょうじん | しなやかでねばり強いさまをいう。 「隊を強靭にするためだ」 |
家禄 かろく |
家に代々伝わる俸禄(ほうろく:大名に仕えた者が受けた給与。扶持)。「家禄の世襲と三百年の泰平がそうさせたのであろう」
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嘲笑 ちょうしょう | あざけって笑いものにすること。「山南は頬にあらわな嘲笑をうかべた」 |
帯同 たいどう | いっしょに連れて行くこと。同伴。「山南を帯同する」 |
法度 はっと | 法令。特に、禁止のおきて。禁制。「ほう、局中法度書」 |
候 そうろう | 対話や消息に用い、聞き手に対し、言葉遣いを丁重・丁寧に表現する。ございます。あります。自己の存在をいう場合に、へりくだる気持ちをこめたり、重々しく表そうとする気持ちを含めたりする。おります。「右条々相背き候者は切腹申しつくべく候也」 |
藪蛇 やぶへび | 余計な事をしたために、いらぬかかわりあいになり、思わぬ不利や災難を招くこと。「せっかくご苦心の作ですが、藪蛇にもなりますぜ」 |
飛瀑 ひばく |
高い所から落下している滝。「」これを読んでむしろ飛瀑に肌をうたれるような壮烈さを感じたようであったが
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枢機 すうき |
肝心かなめの大切な所。大切な政務。「助勤として隊の枢機に参画した男だから」
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㉒池田屋
ワード | 意味「文中表現」 |
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大原女 おおはらめ | 大原女(おおはらめ)とは、山城国大原(京都府京都市左京区大原)の女子が薪を頭に載せて京の都で売ることをさす。行商たる販女(ひさめ)の一種。小原女とも。「大原女が沈んだ売り声をあげて」 |
脚絆 きゃはん | 脛の部分に巻く布・革でできた被服。ゲートル(仏: guêtre)とも。「その白い脚絆を追うようにして、日和雨がはらはらと降ってきた」 |
日和雨 そばえ | 日が照っているのに雨が降っているので、狐日和(きつねびより)、狐のお嫁入りなどという。「その白い脚絆を追うようにして、日和雨がはらはらと降ってきた」 |
拵え こしらえ | 日本刀の外装のことを言い、「つくり」などとも言います。鞘(さや)、茎(なかご)を入れる柄(つか)、鍔(つば)を総称した言葉です。「二人は拵えは町人体だが、武士くさい」 |
修験者 しゅげんじゃ | 山へ籠もって厳しい修行を行うことで悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰。仏教に取り入れられた日本独特の宗教でもある。「薬売り、修験者などに変装して」 |
滑稽 こっけい | 言動がおどけていて、おもしろくおかしいこと。また、ばかばかしくておかしいこと。「黙劇の熊坂長範のような滑稽感をおびて」 |
在洛 ざいらく | 都に滞在すること。京都に居ること。在京。「在洛の武士というのは」 |
土寇 どこう |
百姓の一揆。 土民の暴動。「土寇的な勤王一揆をあげようとしている」
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土匪 どひ | その土地に住みついて害をなす集団。 土着の 匪賊 ひぞく 。 土賊。「失敗すれば全藩土匪の位置におちるだろう」 |
空疎 くうそ | 形だけで、実質的ななかみがないこと。「空疎な議論などは、どちらでもよい」 |
蜂起 ほうき | はちが巣から一時に飛び立つように、大勢が力に訴えるためにいっせいに立ち上がること。「蜂起のための武器弾薬」 |
訴人 そにん |
訴え出た人。告訴人。訴え出ること。「いちはやく訴人して出たどいう」
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町年寄 まちどしより | 江戸時代、江戸の町役人の一つ。 樽屋・奈良屋・喜多村三家の世襲。 三年寄ともいう。「町年寄は、顔見知りの定廻り同心へ報らせ」 |
定廻り じょうまわり | 江戸幕府の職名の一つ。書院番・小姓番など御番衆に属する武士のうち、定期的に江戸市中を巡邏(じゅんら)し取り締まりに任じたもの。「町年寄は、顔見知りの定廻り同心へ報らせ」 |
同心 どうしん | 目的・志などを同じくすること。 一つ心になること。 ともに事にあたること。「町年寄は、顔見知りの定廻り同心へ報らせ」 |
床几 しょうぎ | 脚を打ち違いに組み、尻の当たる部分に革や布を張った折り畳み式の腰掛け。 陣中・狩り場・儀式などで用いられた「あんたが現場に床几をすえるべきだろう」 |
嘯集 しょうしゅう | 多くの人を呼び集めること。「そちはひそかに浮浪の者を嘯集し」 |
謀反 むほん | 臣下が、君主にそむいて兵をおこすこと。「皇城下で謀反を企つるやに聞きおよんだ」 |
監送 かんそう | 罪人、囚人などを檻(おり)に入れて送ること。「京都所司代の人数に監送されて」 |
獄吏 ごくり |
牢屋(ろうや)の役人。「獄吏の言語に絶する拷問をうけたが」
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諜報 ちょうほう | 相手の情勢などを秘密に探って知らせる活動。それで伝えられた報告。「山崎の諜報がとどいた」 |
馴らし ならし | 慣習。 しきたり。 ならわし。「うまい馴らし手である」 |
霍乱 かくらん | 日射病のたぐいの古い呼び名。「山南君はまだ霍乱のあとが癒えていない」 |
僅々 きんきん | ごくわずかであるさま。「僅々三十人」 |
如く ごとく |
同じと見る意を表す。〜のとおり(だ)。例として挙げるのに使う。〜のような。に似ている。〜にたとえられる。「藤堂平助刀は刃切出ささらの如く」
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㉓断章・池田屋
ワード | 意味「文中表現」 |
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執行 しぎょう | とり行うこと。実行すること。「祇園社の執行をつとめる寺の門前」 |
命冥加 いのちみょうが | あぶない命が運よく助かること。「命冥加という点で維新史上、桂ほどの男はない」 |
壮挙 そうきょ |
りっぱな仕事をしようとする勇ましい企て・ふるまい。「壮挙を、古高逮捕によって中止するか」
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粒選り つぶより | 多くの中からすぐれたものが選んであること。また、その選ばれたもの。「長州側は、粒選りの過激派ばかりだが」 |
地金 じがね | めっき・加工の土台になっている金属。転じて、もともとの性質・性格。本性(ほんしょう)。隠れている(悪い)点。「本来の過激派の地金が出来きた」 |
佩刀 はいとう |
刀・サーベルを腰に帯びること。その刀・サーベル。
「おのおのの左に、佩刀がある」
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粗忽 そこつ | 軽率で不注意なこと。そそっかしいこと。それによるあやまち。粗相。「女中衆どもがお腰のものに粗忽を致しては大変」 |
反駁 はんばく | 他の意見に反対し、論じ難ずること。論じ返すこと。「議論がまとまらなくなり、たがいに反駁しあった」 |
鈍重 どんじゅう | 動作・反応などがにぶくてのろい感じがすること。「一斉に動くはずであったが、動員が鈍重で、まだ市内に一人も出ていない」 |
目庇 まびさし |
兜(かぶと)のひたいのひさし。学生帽・鳥打帽などのひさし。「歳三は、目庇の奥で近藤へ微笑いかけた」
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御用改め ごようあらため | 御用」とは、江戸時代に捕り方が罪人を捕まえる時に使用していた言葉であり「改め」は取り調べのことである。「亭主はおるか。御用改めであるぞ」 |
段梯子 だんばしご |
幅の広い段をつけ、階段のようにした、はしご。また単に、はしごのこと。
「二階への段梯子を二、三段のぼって」
|
みだり | 「みだりにこの挙に応ずるを許さず」 |
対峙 たいじ | じっとにらみ合って対立すること。「双方中段で対峙した」 |
剽悍 ひょうかん | 動作がすばやく、性質が荒々しく強いこと。「剽悍できこえた重助は短刀のままで立ち向かったが」 |
墓碑 ぼひ | 戒名・俗名・享年・没年月日・略歴などを刻み、埋葬されている方のことが分かる石版。 もしくはお墓そのもの。「闘死者一同の墓碑を一ヶ所にあつめて大碑石を建てた」 |
立腹 たちばら | 立ったままで切腹すること。「桑名の兵二十数人にかこまれ、これも門前で立腹を切った」 |
微傷 びしょう |
ほんのかすかな傷。かすり傷。
「あれだけ戦った近藤、沖田は微傷も負わなかった」
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捕捉 ほそく | つかまえること。とらえること。「路上に脱出してくる連中だけを捕捉する警戒兵となり」 |
㉔京師の乱
ワード | 意味「文中表現」 |
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通牒 つうちょう | 書面(主に公文書)による通知・通告。その書面。「町奉行に通牒され」 |
褒賞 ほうしょう | ほめること。そのしるしに与える物。「褒賞の金子がくだった」 |
与力 よりき | 江戸幕府における代表的な職名。 なお、与力は寄騎とも書くが、これら与力・寄騎は時代によって意味が異なる。 備(そなえ)などを編成するため、江戸時代以前には、足軽大将(足軽組頭)などの中級武士が大身の武士の指揮下に入る事を意味する語句としても用いられていた。「与力上席」 |
上席 じょうせき |
その場所で上位とされる席。上座(かみざ)。その人より上の席次または等級。「与力上席」
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地付 じつき | その土地に昔から住んでいること。土着。「—の古老に話を聞く」 魚が季節にかかわらず、一定の水域にいつくこと。「元来の素性は地付役人で一代限り、しかも将軍に拝謁の資格のない下士で」」 |
拝謁 はいえつ | 君主など高貴の人にお目にかかること。「元来の素性は地付役人で一代限り、しかも将軍に拝謁の資格のない下士で」 |
気質 かたぎ | その身分・職業などに特有な、気風・性格。「当時の志士気質からしたもので」 |
鞍 くら | 馬,牛などの背に固定して,人や物を乗せる革または木製の具。また車や農耕具を引くときに動物の牽引力を伝える装具でもある。「白馬を購入し、これに華麗な鞍を置き」 |
巨刹 きょさつ |
大きな寺。「臨済宗本山天竜寺は、洛西の巨刹である」
|
鄭重 ていちょう | 礼儀正しく、注意も行き届いて、態度が丁寧な様子。「一同ひどく鄭重であった」 |
強談 ごうだん |
強引(ごういん)に談判すること。こわだんぱん。「ぜひ五門はほしい、と強談した」
|
掛矢 かけや | 樫(かし)などの硬い木で作られた大型の木槌(きづち)のことです。「ポンペン砲は、掛矢くらいの力しかない」 |
冤 えん ぬれぎぬ | ぬれぎぬ。無実の罪を受ける。「冤獄」「冤罪」「冤死」 うらみ。あだ。「冤を禁闕で晴らさんがため」 |
疎開 そかい | 一箇所に集中する施設、人員などを分散させること。「家財を疎開させる者が多かった」 |
昂奮 こうふん | 感情が高ぶること。「近藤は、昂奮して屯営へもどってくると」 |
虎口 ここう | 虎(とら)の口。転じて、きわめて危険な所。「たとえ新選組が虎口で全滅して」 |
恫喝 どうかつ | おどして、恐れさせること。「恫喝して通過し」 |
山麓 さんろく |
山のふもと。山すそ。「大山崎の天王山、およびその山麓の離宮八幡宮」
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篝火 かがりび | 夜中に貴人を警護したり、漁業で魚を集めたりする時などにたく火。「夜間はわざとおびただしい数の篝火を焚き」 |
㉕長州軍乱入
ワード | 意味「文中表現」 |
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有職 ゆうそく | 朝廷や公家の儀式・行事・官職などに関する知識。また、それに詳しい人。学識のあること。学者。 諸芸にすぐれていること。教養・才知・家柄・容貌などのすぐれていること。「武田観柳斎という者が武家有職にくわしいので」 |
摩利支天 まりしてん | 仏教の守護神である天部の一尊。 梵天の子、または日天の妃ともいわれる。「軍神摩利支天の再来」 |
帷子 かたびら |
生糸・麻で作ったひとえもの。また一般に、ひとえもの。几帳(きちょう)・とばりなど、へだてに使った薄い布。「鎖帷子を着込んだ上に」
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先鋒隊 せんぽうたい | 先鋒をなす部隊。 本隊の先頭を切って進む部隊。「長州の家中の士で組織された先鋒隊だ」 |
斬奸状 ざんかんじょう |
悪者(=奸)をきり殺す趣意を書いた書状。「この斬奸状は」
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禁中 きんちゅう |
宮中。皇居。「禁中に願いの筋あって罷り通る」
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罷り通る まかりとおる | 「通る」「通用する」を強めていう語。わがもの顔で通る。堂々と通用する。「禁中に願いの筋あって罷り通る」 |
錯綜 さくそう | 複雑に入りまじること。入りくむこと。「長州・大垣が路上でほとんど錯綜していて」 |
夾撃 きょうげき | はさみうち。「長州兵を夾撃するのである」 |
大旆 たいはい |
天子や将軍のしるしとする大きな旗。堂々たる旗印。「大旆をひるがえして押し進んだ」
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㉖伊東甲子太郎
ワード | 意味「文中表現」 |
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訃報 ふほう | 死亡の知らせ。「当時、各新聞に訃報が出た」 |
岳父 がくふ |
妻の父。しゅうと。「しかしこのひとりの岳父が新選組隊士鈴木三樹三郎であり」
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稀覯本 きこうぼん | 古書や限定版など、世間に流布することがまれで、珍重される書物。 めったに見られない本。 珍本。「いまでは古本の世界でも稀覯本に属する」 |
勁烈 けいれつ | 強くはげしいこと。 こらえられないほど、程度が強いこと。 また、そのさまや性質。「新選組のような勁烈な組織にとって」 |
奥義 おうぎ | 学問・芸能・武術などの最も大事な事柄。最もかんじんな点。極意「たちまち奥義に達し」 |
志士 しし | 高い志を持った人。 また、国家、社会のため自分の身を犠牲にして力をつくそうとする人。 国士。「多数の志士が集まった」 |
浪士 ろうし |
主家を去り、または主家が没落して、禄(ろく)を離れた武士。浪人。「諸国の浪士で江戸へ来る者は」
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苑然 えんぜん | しとやかで美しいさま。 しなやかなさま。「あの門流には倒幕論者が多すぎる。それが苑然、いま天下に閥をなしつつある」 |
閥 ばつ |
出身が同じなどで団結・連絡し、自分たち仲間の利益を図ろうとする、人々のつながり。「閥を作る」いえがら。家格。 「門閥・名閥」つみ上げてきた手柄。いさおし。「あの門流には倒幕論者が多すぎる。それが苑然、いま天下に閥をなしつつある」
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檄 げき | 敵の罪悪などをあげ、自分の信義・意見を述べて、公衆に呼びかける、また、決起をうながす文書。檄文(げきぶん)。「江戸その他近国の諸道場に檄を飛ばしたとき」 |
目鯨 めくじら | 目尻。目角 (めかど) 。また、怒った目つき。「まあ、そう目鯨を立てるもんじゃない」 |
落し胤 おとしだね | 落とし子 の共通する意味. 身分の高い人が正妻でない女性に産ませた子。「伊勢の藤堂候の落し胤だよ」 |
古馴染み ふるなじみ | 古くから親しくしていること。 また、以前親しくしていたこと。 また、その人。 昔なじみ。「藤堂平助は、古馴染みではあっても近藤道場の育ちではない」 |
疑惧 ぎく | うたがいおそれること。「歳三の疑惧する北辰一刀流のほうに」 |
走狗 そうく |
人の手先になって働く者をいやしんで言う語。「新選組は、幕府の走狗になっている」
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佞弁 ねいべん | 心がねじけていて口先のうまいこと。 また、表向きだけをきれいにかざった弁舌。「どうみても佞弁の策士であろうとは思えなかった」 |
綻び ほころび | 縫い目などがほどける。 花の蕾 (つぼみ) が少し開く。咲きかける。表情がやわらぐ。笑顔になる。隠していた事柄や気持ちが隠しきれずに外へ現れる。鳥が鳴く。さえずる。「顔は綻びきれずになかばでこわばった」 |
金打 きんちょう | おもに江戸時代の習俗で、武士はけっして違約しないという誓いのしるしに、自らの刀の刃や鍔(つば)を相手のそれと打ち合わせ、僧侶(そうりょ)は小さな鉦(かね)を、婦女子は鏡を互いに打ち合わせた。 転じて堅い約束や誓約そのものをいう。「金打します」 |
愚物 ぐぶつ |
ばかもの。愚人。「愚物です」
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夷狄 いてき |
未開の民。野蛮人。えびす。外国人。「夷狄の恐るべきを知らず」
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覇府 はふ | 覇者が政治を行う所。 幕府。「かといって覇府尊ぶべしというほどの理ももたず」 |
不日 ふじつ | 日ならず。近いうちに。「不日出府してきた近藤と対面したのは」 |
㉗甲子太郎、京へ
ワード | 意味「文中表現」 |
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金象嵌 きんぞうがん | 彫刻した溝に純金を埋め込む技法。「つばはは金象嵌の入った竹に雀のすかし彫り」 |
風采 ふうさい | 人の見掛けの姿。なりふり。「元来、風采のいい男であった」 |
傑物 けつぶつ |
とびぬけてすぐれた人物。「やはり常人ではないということである。傑物、という意味ではない」
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匕首 あいくち | 鍔(つば)のない短刀。 懐剣の類。 「剃刀や匕首のような、薄刃なものではない。たがねといっていい。」 |
鏨 たがね | 金属や岩石を加工するための工具の一種。鋼鉄製で、一般的につち(ハンマー)とともに用いる。たがね とひらがなで表記されることが多い。 「剃刀や匕首のような、薄刃なものではない。たがねといっていい。」 |
鎚 つち | 物を打ち付けたり、潰したりする工具の総称。漢字では、打撃部分が木製のハンマーを槌、打撃部分が金属製のハンマーを鎚と書く。「鎚でたたけば、鉄魂でもたたき割りそうな感じがする」 |
法螺 ぼら |
ほらがい。実際よりずっと大げさに言うこと。そういう話。「田舎くさい大法螺をふいた」
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焦眉 しょうび | まゆげを焦(こ)がすばかりに火が迫るように、危難が迫ること。「いまや焦眉の急であることを説いたわけでござる」 |
譜代 ふだい | 代々その家系が続いてきていること。 また、それを記したもの。 系譜。代々同じ主家に仕えること。「御親藩、譜代大名のやることである」 |
外様大名 とざまだいみょう | 江戸時代における大名類別の一つ。外様の呼称は、鎌倉時代以降武士の間に用いられ、譜代(ふだい)の関係なく臣礼をとる大名を外様衆と称した。江戸時代においては、旧族大名や織豊(しょくほう)大名で、関ヶ原の戦い以降、新しく徳川氏に帰属した大名をいう。「外様大名が幕政に嘴を容れたというだけで」 |
嘴を容れる くちばしをいれる | 他人のすることに対して、あれこれ言って口出しをする。 容喙(ようかい)する。 くちばしをさしはさむ。 唇を差し出す。「外様大名が幕政に嘴を容れたというだけで」 |
幕威 ばくい | 幕府の威力。 幕府の威光。「それにしても幕威も衰えたものだ」 |
秀麗 しゅうれい | 他よりすぐれていてすっきりと美しいこと。「伊東は、秀麗な顔でうなずいた」 |
兵糧 ひょうろう |
陣中における軍隊の食糧。転じて、一般に、食糧。「馬も要る。兵糧荷駄も用意せねばなるまい」
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荷駄 にだ |
馬で運送する荷物。「馬も要る。兵糧荷駄も用意せねばなるまい」
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借款 しゃっかん | 金銭を借り入れること。 また、その借り入れ条件に関する取り決め。 政府または公的機関の行なう国際的な長期資金の貸借。 政治的借款と経済的借款とがある。「幕軍の様式化の費用の借款を交渉していた」 |
西陬 せいすう | 西の方の、へんぴないなか。「たかが三十六万石の西陬の一大名を征伐するのに」 |
征伐 せいばつ | 悪者・服従しない者を攻め平らげること。「たかが三十六万石の西陬の一大名を征伐するのに」 |
遊惰 ゆうだ | 遊び怠けること「江戸の遊惰な生活をすて」 |
如何 いかん | どのようであるかの意。「諸君の御所存は如何」 |
虎穴 こけつ | 虎(とら)のすんでいる、ほらあな。きわめて危険な場所のたとえ。「虎穴に入るのだ。しかも虎児を奪るだけではない」 |
庄屋 しょうや | 江戸時代の村役人である地方三役の一つ、郡代・代官のもとで村政を担当した村の首長。「平素はおだやなか庄屋の大旦那といったふうがある」 |
恃む たのむ | 希望通りの物事をしてくれるよう、他人に願い求める。それを力として、たよる。助けとして期待する。あてにする。「才を恃んでいる」 |
座長 ざちょう |
会議や懇談会などで、進行をつかさどる長。演芸の一座の長。座がしら。「しかし、座長がさ」
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才人 さいじん |
頭がよく働き、すぐれた才能がある人。「才人すぎて、かえって花道からころげ落ちるようなことになっては」
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花道 はなみち | 歌舞伎舞台の特殊な機構の一つ。舞台に向って左のほう (下手) に客席を貫いて舞台と直交して設けられている,俳優が出入りする通路。「才人すぎて、かえって花道からころげ落ちるようなことになっては」 |
観巧者 みごうしゃ | 芝居などになれ通じていて、見方のじょうずなこと。また、その人や、そのさま。「芝居の観巧者がいる」 |
先刻 せんこく | さきほど。 既に。とうに。「いや、先刻しらべている」 |
烏合 うごう | 烏(からす)の集散がばらばらであるように、統一も規律もなく集まること。「たかが烏合の衆ですよ」 |
才気 さいき | 頭脳の、鋭い活発な働き。「あなたの才気ですよ」 |
万世 よろづよ | 限りなく長く続く代。御代が永久に続くことを祝っていう語。「万世のつきぬ御代の名残りかな」 |
御代 ごよ | 天皇を敬って、その治世や在位の期間をいう語。みよ。ごだい。「万世のつきぬ御代の名残りかな」 |
屯所 とんしょ | そこに詰める場所・建物。明治初期の警察署。「屯所の副長室まで御足労ねがうことだな」 |
㉘慶応元年正月
ワード | 意味「文中表現」 |
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草莽 そうもう | 草むら、やぶの意味から転じて仕官しないで民間にいる在野の人をさす。「一介の草莽の志士ではなくなってきた」 |
旧弊 きゅうへい | 古いしきたりの弊害。昔の(古くさい)考え・しきたりを、がんこに守っているさま。「旧弊とすれば、おっそろしく時代ばなれのした話である」 |
立身 りっしん | 社会的に一人前になること。社会的によい地位を得ること。栄達。出世。「おれのやりたいのは、仕事だ。立身なんざ」 |
時世時節 じせいじせつ | その時代その時代の風潮。 その時その時のめぐりあわせやうつりかわり。「あの人が、時世時節を得て大名になろうと」 |
容貌 ようぼう | 目・口・鼻などの形・配置を含めて、顔(=容)の様子(=貌)。「秀麗な容貌である」 |
感光 かんこう | 物質が光をうけて、化学的変化をおこすこと。 光線に感応して変化すること。「感光力のにぶい湿板に写すのだから」 |
湿板 いっぱん | 写真用感光材の一種。 コロジオン溶液と沃化銀を混合してガラス板に塗布し、硝酸銀溶液中にひたし、乾燥しないうちにカメラに入れ、撮影するもの。 初期の写真や写真製版に用いられた。「感光力のにぶい湿板に写すのだから」 |
舎密 せいみ | 江戸時代後期の蘭学者の宇田川榕菴がオランダ語で化学を意味する単語 chemie [xeˈmi] ( 音声ファイル) を音写して当てた言葉。「長崎の舎密研究所で欄人ポンペから」 |
法眼 ほうげん | 「法眼和尚位(かしょうい)」の略。法印に次ぐ僧位。武家時代、医師・絵師・連歌師・儒者(じゅしゃ)などに授けた称号。「将軍家茂の侍医で法眼となった」 |
馳走 ちそう | 客への供応(酒や食事を出して人をもてなすこと)。転じて、りっぱな料理。「写真を馳走がわりにしている」 |
嶮しく けわしく | 克服するのが困難である。 てきびしい。 また、危険である。自然の現象や風景が人を受けつけないさま。「ただでさえ迫っている眉が、嶮しくなった」 |
形相 ぎょうそう | (普通ではないと感じられるような)かおかたち。「それがために悪鬼のような形相になっている」 |
ご免蒙る ごめんこうむる | 相手の人の許しを得る。 官許を得て、相撲を興行する。 木戸には「蒙御免」の三字を大書した札を立てるのが通例であった。 相手の許しを得て退出する。「いや、ご免蒙る」 |
㉙憎まれ歳三
ワード | 意味「文中表現」 |
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暁 あかつき | よあけ。あけがた。夜半から夜のあけるころまで。その事が起こったその時。「暁の鐘が鳴り」 |
余念 よねん | それよりほかの考え、特に雑念。「無邪気なほど余念がなかった」 |
無智 むち | 知識・学問のないこと。 あるいは、知恵のないこと。 おろかなこと。 また、そのさま。「主義思想のない無智さには堪えられなかったのであろう」 |
魁 さきがけ | まっさきに敵中に攻め入ること。また、まっさきに事をはじめること。物事のはじめとなること。「われわれはもともと、攘夷の魁になる」 |
諸天 しょてん | 欲界の六欲天・色界の十七天および無色界の四天の総称。 また、その天上界の神々。 天空。「神様とか諸天とかがこの世にさしむけた童子のような気がしてならない」 |
童子 どうじ | 仏の王子、すなわち 菩薩 ぼさつ のこと。 仏・菩薩・明王などの 眷属 けんぞく につける名。 八大童子など。 寺院へ入ってまだ得度 剃髪 ていはつ せずに、仏典の読み方などを習いながら雑役に従事する少年。「神様とか諸天とかがこの世にさしむけた童子のような気がしてならない」 |
蛇蝎 だかつ | へびとさそり。人が非常に忌み嫌うもののたとえ。「蛇蝎のように」 |
毀誉褒貶 きよほうへん | ほめたり、悪口を言ったりすること。 ほめることと悪口を言うこと。「自然憎しみや毀誉褒貶は近藤へゆく」 |
義兵 ぎへい | 正義のために起こされた兵のこと。「攘夷魁の義兵をあげ」 |
懐柔 かいじゅう | うまく手なずけ従わせること。抱き込むこと。「浪士を懐柔しつつ武器をとりあげ」 |
赤裸 あかはだか |
全くのはだか。まるはだか。「衣服まで剥いて赤裸にし、畜生扱いにして」
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畜生 ちくしょう | けだもの。また、鳥獣虫魚の総称。人をののしって、人に価しないものの意で使う語。「衣服まで剥いて赤裸にし、畜生扱いにして」 |
牢舎 ろうしゃ |
ろうや。ろうごく。「ニシン蔵に押しこめた。牢舎でのあつかい、残忍をきわめた」
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昵懇 じっこん | 親しくつきあう間柄。懇意。「山南が、例の伊東甲子太郎とあれほど昵懇になり」 |
葛湯 くずゆ | 葛粉から作ったとろみのある飲み物である。通常、葛粉を水で溶いて砂糖を加え、鍋等で緩やかに加熱しながら透明になるまで練って作る。「葛湯を入れた大きな湯呑」 |
頤使 いし | いばって、人を使うこと。頤(あご)で使うこと。「土方君の頤使のもとにある監察どもなら」 |
㉚四条橋の雲
ワード | 意味「文中表現」 |
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総攬 そうらん | 手ににぎって統(す)べおさめること。「第二次長州征伐を総攬するために」 |
恭順 きょうじゅん |
つつしみの態度で従うこと。「すでに三家老の首を切ってまでして恭順している長州を」
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覆滅 ふくめつ | くつがえし滅ぼすこと。また、徹底的に攻撃されて滅びてしまうこと。「防長二州に兵を入れて覆滅し」 |
高説 こうせつ |
すぐれた説。「御高説」
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落首 らくしゅ | 風刺やあざけりの意を含めてよんだ一種の戯歌(ざれうた)。 詩歌の形式による落書(らくしょ)。 落詩。「三条大橋で剥がしてきた、落首をみせた」 |
洒落 しゃれ | 人を笑わせる、気の利いた文句。洒脱(しゃだつ)で気がきいていること。「おおよそ、洒落、諧謔のだぐいのきらいな男である」 |
諧謔 かいぎゃく | 面白い気のきいた冗談。しゃれ。ユーモア。「おおよそ、洒落、諧謔のだぐいのきらいな男である」 |
流浪 るろう | さまようこと。さすらうこと。「流浪の帝」 |
瀟洒 しょうしゃ | すっきりとしゃれている様子。俗っぽさがなく、あかぬけしていること。「白絽に紋を黒く染めた瀟洒な夏羽織をはおって」 |
雄藩 ゆうはん | 雄藩ゆうはん 幕末・維新期に活躍した有力な藩。 語句の意味は、勢力の雄大な藩である。「京における雄藩の公用方と」 |
公用方 こうようがた | 容保の入京後まもない文久3年1月7日に設置された。守護職の職務全般に関して、藩主を補佐し、仕事を処理する会津藩最高の諮問機関であり、政策立案機関。「京における雄藩の公用方と」 |
仏頂面 ぶっちょうづら | ぶあいそうな顔つき。ふくれっつら「仏頂面をしてみせるのだが」 |
律儀 りちぎ | 義理(世の道理)がたいこと。実直なこと。「新古今以来の歌道の伝統を律儀に踏まえた」 |
葉草 はぐさ | 草の葉。くさば。「残し置く言の葉草の多あれど」 |
白露 はくろ | 二十四節気の一つ。太陰太陽暦の8月節 (8月前半) のことで,太陽の黄経が 165°に達した日 (太陽暦の9月8日か9日) に始り,秋分 (9月 23日か 24日) の前日までの約 15日間であるが現行暦ではこの期間の第1日目をさす。「言は別るる袖の白露」 |
心懐 しんかい | 心に思うこと。「その時勢への心壊を詠んだ歌としては」 |
仇 あだ | かたき。恨み。「心を仇に散らし」 |
奉戴 ほうたい | うやうやしく承ること。皇族など身分の高い方をおしいただくこと。「徳川将軍を奉戴しているのである」 |
摂海 せっかい | 《摂津の海の意》大阪湾のこと。 「摂海を視察し」 |
下相談 したそうだん |
前もってしておく相談。「新編制の下相談でしたな」
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弔い とむらい | 人の死をいたみ、その喪にある人を慰めること。 弔問。 くやみ。 死者の霊を慰め冥福を祈ること。「伊東は山南を弔い」 |
断乎 だんこ | どんなことがあっても必ずするという強い態度であるさま。「断乎たる信条が」 |
停頓 ていとん | 途中で行きづまること。進展しないこと。もと、急にとまること。「ちょっと停頓している」 |
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㉛堀川の雨
ワード | 意味「文中表現」 |
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洛東 らくとう | 京都府京都市の東部をさす通称。平安京の東という意で,洛西に対する。「洛東の黒谷から」 |
恰好 かっこう | ものの姿・形。ちょうどいい程度・様子。ころあい。「実力を内に秘めて沈黙しているといった恰好の土方」 |
妾宅 しょうたく |
めかけを住まわせる家。「近藤が妾宅を二軒持ち」
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振舞 ふるまい | 鳥がのびのびと羽を動かして飛びまわる。 思うままに事を行なう。 のびのびと動作をする。 ことさらに構える。「新町のお振舞茶屋でもさかんに遊び」 |
後釜 あとがま | やめた人に代わってつく、その地位。「―にすわる」。その地位につく人。「それを後釜にすえた」 |
銚子 ちょうし | 酒を入れて杯につぐ長い柄のついた器。 注ぎ口の両方にあるのを諸口(もろぐち)、一方にだけあるものを片口(かたくち)という。 酒を入れ、燗をするための瓶状の容器。 徳利(とくり)。「もう、お酒は。と銚子をかくし」 |
廓 くるわ |
区域をなす地域。特に遊郭。城のかこい。「とこの廓でもおとなしいので通っている」
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慍る いかる | いきどおる。いかる。うらむ。不平不満に思う。「慍りがしずまると」 |
魘われる おそわれる | こわい夢を見て、うなされる。「魘われるような思いで」 |
縁起 えんぎ | 他との関係が縁となって生起するということ。全ての現象は、原因や条件が相互に関係しあって成立しているものであって独立自存のものではなく、条件や原因がなくなれば結果も自ずからなくなるということを指す。 仏教の根本的教理・基本的教説の1つであり、釈迦の悟りの内容を表明するものとされる。「縁起どすさかい」 |
暁方 あけがた | 夜明けに近いころ。「暁方、懇願するようにして、この客を床入りをしてもらった」 |
床入り とこいり | 寝床に入ること。 特に、婚礼の夜、新夫婦が初めて同じ床で寝ること。暁方、懇願するようにして、この客を床入りをしてもらった」 |
落籍 らくせき | 身代金(みのしろきん)を払って芸者・娼妓(しょうぎ)などをやめさせ、籍から名前を抜くこと。身請け。「京の両替商人から落籍されることになった」 |
浮浪 ふろう | 定まった住所や職などを持たず、方々をうろつくこと。「その一味の浮浪に依頼した」 |
半刻 はんとき | 現在で言う「約1時間」のこと。 「一刻」の半分の時間なので「半刻」。 「半時」とも書く。 一刻も「一時」とも書く。「それから半刻後」 |
唐傘 からかさ | 風の雨傘。柄(がら)がついているところから柄傘(からかさ)ともいわれる。「唐傘を柄高に持ち」 |
泥濘 ぬかるみ |
ぬかるみ。「泥濘のなかで」
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奸賊 かんぞく |
心がねじけて邪悪な人。にくむべき悪人。「七里研之介であった。奸賊。」
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礼儀長
とっても時間がかかるので、文中表現はここまでにします。
㉜お雪
ワード | 意味 |
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小楯 こだて | 身を守るまにあわせの楯(たて)。 |
龕燈 がんどう | 江戸時代の携行用灯火具。 桶状の筒内に2個の鉄輪を装置して,どんなに振り回しても蝋燭(ろうそく)が垂直に立つように工夫され,使用者の姿は見えないで思う方向を照射する。 強盗提灯(ぢょうちん)ともいい,目明しなどが夜間隠密な行動をとるのに用いられた。 |
渾身 こんしん | からだ全体。満身。 |
上膊部 じょうはくぶ | 肩とひじの間の腕の部分。 上腕。 二の腕。 |
印籠 いんろう | 薬などを携帯するための小さな容器のことを言う。 |
鉄釉 てつゆう | 鉄釉陶器は、釉【うわぐすり】に含まれている鉄分によって黒色、茶色、黒褐色、柿色などに呈色する陶器の制作技法である。 |
金創 きんそう | 刃物による切り傷。 刀傷切り傷の治療法。 また、その施術者。 |
褌 まわし | 男子の陰部を覆い隠す帯状の布をいう。 |
襦袢 じゅばん | 和服の下着で、肌襦袢、半襦袢、長襦袢の種類がある。襦袢の語源はポルトガル語のgibāoから転じたものといわれている。 |
晒 さらし | 織物や糸から不純物をとりのぞき漂白する工程、また漂白された糸でできた織物。 |
佳い よい | すぐれていること。よいこと。美しいこと。また、そのさま。 |
差配 やもり | 所有主にかわって貸家・貸地などを管理すること。また、その人。差配人。指図してとりさばくこと。 |
火熨斗 ひのし |
中に入れた炭火の熱を利用して衣類などのしわをのばすのに使う金属製の器具。
|
紅霞 こうか | 紅色のかすみ。また、夕陽で赤く染まった雲。赤い夕焼け。 |
㉝紅白
ワード | 意味 |
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師走 しわす | 陰暦12月の異称。 |
奉る たてまつる | 下の者から上の者に与える、または行動を及ぼす意を表す語。便宜上ある高い地位にすえる。 |
喝采 かっさい | 感心して声をあげ、手をたたいてはやすこと。やんやとほめそやすこと。 |
非違 ひい |
法にもとること。非法。違法。
|
惻隠 そくいん | あわれみ、いたむこと。同情すること |
混沌 こんとん |
区別が立たず物事が入り混じっている状態。
|
清濁 せいだく | (澄んで)清いのと(よごれて)濁ったのと。清音と濁音。 |
容儀 ようぎ | 礼儀にかなった身のこなし、姿 |
世子 せいし | 天子、諸侯、大名など、貴人のあとつぎである子。 また、あとつぎ。 よつぎ。 せし。 |
木強漢 ぼきょうかん | 一徹な男。武骨な男。 |
奇巌 きがん | 珍しい形をした岩 |
禄高 ろくだか |
武家時代に、主人から与えられる給与の額。
|
訣別 けつべつ | (いとまごいをして)長く、またはきっぱりと別れること。 |
㉞与兵衛の店
ワード | 意味 |
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灌木 かんぼく | 低木の旧称。 |
露顕 ろけん | 秘密や悪事があらわれること。ばれること。 |
流寓 りゅうぐう | 他郷にさすらい住むこと。放浪して他国に住むこと。 |
吐月峰 とげっぽう |
タバコ盆の灰吹き。
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怨恨 えんこん |
うらむこと。(深い)うらみ。
|
蛸薬師 たこやくし | 日本における伝承信仰。禿頭の人が祈願すると霊験があると信じられている薬師。蛸を食べないと誓って祈願したり、蛸の絵の絵馬を上げたりする。 |
饒舌 じょうぜつ | 口数多く(くどく)しゃべること。おしゃべり。 |
諜者 ちょうじゃ |
敵方の中(近く)にいて(忍び込んで)、その様子や秘密を(探り出し)味方に通報する者。スパイ。
|
冥加 みょうが | 知らず知らずのうちに,神や仏あるいは菩薩などから加護をこうむることをいう。 |
修法 しゅうほう |
密教で、壇を設けて行う加持祈禱(かじきとう)の法。
|
陥穽 かんせい | おとしあな。比喩的に、人をおとしいれるはかりごと。 |
「燃えよ剣(下)」は今後掲載を予定しております。