親しくなった社外の人や、気心の知れた上司との日常的な会話では仕事以外の話をすることもあるかと思います。そんなときでも敬語は使えてますか?
どんな場合も、敬語を使って相手を立てることを忘れてはなりません。
礼儀長
上司や先輩との対話は、敬語を修得するチャンスです。失敗を繰り返すうちにだんだんと正しい言葉づかいが身についていきます。
ここでは、社外の人や親しい上司とのちょっとした会話フレーズを紹介します。
食事の摂取についてたずねるとき
- 朝食は召し上がりましたか?
- 昼食をお食べになりましたか?
- 部長は普段、朝食を召し上がりますか?
しろくま礼儀長
「いただく」は「食べる」の謙譲語なので「朝食を頂きましたか?」とは言わないので注意!
飲み物が欲しいかどうかをたずねるとき
- 課長も、コーヒーをお飲みになりますか?
- 何かお飲み物は、いかがですか?
礼儀長
「お飲みになりたいですか?」と聞くよりも、「 お飲みになりますか?」とたずねたほうが、丁寧な印象を与えます。
知っているかどうかをたずねるとき
- 部長は、○○社の社長をご存じですか?
- ○○社の社長の○○様をご存じでしょうか?
- 課長は、○○についてご存知ですか?
礼儀長
相手を立て、知っているかどうかをたずねるときは「 ご存じですか?」と言います。
第二言語英語をたずねるとき
- 部長は、英語をお話しになりますか?
- 課長は、中国語をお話しになりますか?
礼儀長
「お話になれるんですか」は、 上司の能力を問うニュアンスがありNGです。
休日の予定をたずねるとき
- 連休には、どちらへいらっしいますか?
- ゴールデンウィークのご予定はお決まりですか?
礼儀長
「どこへ」は「どちらへ」と言い換えると 丁寧さが増します。
ご家族に会ったことを伝えるとき
- 先日、部長の奥様にお目にかかりました。
- 先日、お嬢様とごいっしょのところをお見かけいたしました。
礼儀長
「お会いしました」 より、「お目にかかる」のほうが相手を立てる気持ちが強くなります。
贈り物をするとき
- おロに合うかどうかわかりませんが、どうぞお召し上がりください。
- めずらしい品なので、ぜひ召し上がってみてください。
- 実家の母が、課長に召し上がっていただきたいということで送ってまいりました。
- 故郷から送ってきたものですが、ぜひ召し上がってみてください。
住んでいる場所、出身をたずねるとき
- お住まいはどちらですか?
- どちらにお住まいですか?
- ご出身はどちらですか?
相手との距離が縮まってきたら、 住んでいる場所や出身をたずねても失礼にはあたりません。
しろくま礼儀長
「お住まいはどちらですか?」と聞かれたときの応対です。 相手の質問につられて、「お住まいは○○です」 と返さないようにオウム返しには注意!
趣味についてたずねるとき
- 最近は、釣りをなさっていますか?
- 御社の部長もゴルフをなさいますか?
- 課長は、テニスをなさいますか?
礼儀長
「なさる」は、「する」の尊敬語です。「やる」 は敬語表現に不適切ですので「〜をおやりになりますか?」としても、適切な敬語表現ではありません。
身につけているものをほめるとき
- すてきな時計ですね。
- よくお似合いのネクタイですね。
しろくま礼儀長
尊敬語を人以外に使うのはNGです。「 すてきな時計でいらっしゃいますね」「かわいいワンちゃんでいらっしゃいますね」などと、物や動物に対して使わないので注意!
行き先を確認するとき
- ○○部長は、どちらへお出かけになるのですか?
礼儀長
「お出かけになられる」は、「お出かけになる」という尊敬語に、 「れる・られる」がついた二重敬語なので「お出かけになる」 と言い換えましょう。
予定をたずねるとき
- 次は、いつこちらにいらっしゃいますか?
- 次は、いつこちらに来られますか?
礼儀長
「まいる」は謙譲語なので、尊敬語の「いらっしゃる」を用いてたずねましょう。
まとめ
- 動作する人(目上の人や社外の人)を高める表現が「尊敬語」であるのに対して、目上の人や社外の人に自分自身の動作について話すときには、「謙譲語」を使います。社外の人や上司に尋ねるときは、正しい尊敬語を用いましょう。