正しい敬語を使っているつもりが、なんとなく「敬意」が伝わっていないような気がすることはありませんか?
実はそれ「お手数をおかけしますが〜」や「失礼ですが〜」などの本題の敬語を用いる前の「クッション言葉」使う事で劇的に改善されるんです。
「クッション言葉」を添えることで、言葉の響きがやわらかく、丁寧な表現になり、相手への気づかいを示すことができるのです。
「なにかを依頼する」「相手の申し出を断る」などの言いづらいシチュエーションにおいても、相手の心構えの時間をつくり、やわらかく丁寧に伝える事ができるのがクッション言葉です。
いくら正しい敬語を使っていても、唐突的は話には相手は身構えてしまうものです。
「クッション言葉」はとても役に立ちますので、是非覚えましょう。
1.何かをお願いするとき/質問・提案するときのクッション言葉
何かをお願いするときのクッション言葉は、相手に断る余地をどれだくらい与えるかによって、言い方が変わってきます。ある程度強制力をふくむ場合は「恐れ入りますが・・・」を使います。相手が断ってもよいという場合は「さしつかえなければ・・・」を使いましょう。
お忙しいところ、恐れいりますが
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お忙しいところ、恐れいりますが、至急ご調査いただけませんでしょうか?
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お忙しいところ、恐れいりますが、明日までにご提出の程よろしくお願いいたします。
お手数をおかけしますが
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お手数をおかけしますが、再度ご確認をお願いいたします。
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お手数をおかけして申し訳ございませんが、パスワードの再設定をお願いいたします。
ご面倒をおかけしますが
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ご面倒をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
- ご面倒かと存じますが、ご検討よろしくお願いいたします。
失礼ですが
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失礼ですが、お名前をお聞かせいただけますか?
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失礼ですが、再度ご確認の程よろしくお願いいたします。
つかぬことをおうかがいしますが
「つかぬこと」は前の話と関係なく、だしぬけであることです。本題とは関係ないことを、話の流れと関係のないタイミングで使うフレーズです。
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つかぬことをおうかがいしますが、以前どこかでお会いしましたでしょうか?
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つかぬことをうかがいますが、ゴルフをなさるのですね。
恐れいりますが
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恐れいりますが、こちらにご記入願います。
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恐れいりますが、何卒よろしくお願いいたします。
さしつかえなければ
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さしつかえなければ、ご用件をお聞かせ願えますでしょうか?
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お差し支えなければ、変更させていただいてもよろしいでしょうか?
2.言いにくいことを伝えたいとき/おわびをするときのクッション言葉
「〜です(ございます)が」「〜れば・〜たら」などの定型句がありますので、いつも同じ表現にならないように意識して言い方を使い分けましょう。
申し訳ございませんが
- まことに申し訳ございませんが、弊社では取り扱っておりません。
恐縮でございますが
- まことに恐縮でございますが、弊社営業日内での対応とさせて頂きます。
ご迷惑かとは存じますが
- ご迷惑かとは存じますが、何卒よろしくお願いいたします。
ご不便をおかけしますが
- ご不便をおかけしますが、しばらくお待ちください。
残念ではございますが
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残念ではございますが、現在欠品しております。
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大変残念でございますが、再入荷の目処がたっておりません。
思い違いかもしれませんが
- わたくしの思い違いかもしれませんが、念のためご確認頂けますと幸いです。
あいにくでございますが
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あいにくでございますが、私どもでは取り扱っておりません。
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あいにくでございますが、部長の○○は外出しております。
せっかくではございますが
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せっかくではございますが、ご遠慮申し上げます。
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せっかくの機会ではございますが、今回は見送らせていただきます。
お役に立てずに申し訳ございませんが
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お役に立てずに申し訳ございませんが、今回は辞退させて頂きます。
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お役に立てずに申し訳ございませんが、ご理解の程何卒よろしくお願いいたします。
3.勧めるときのクッション言葉
よろしければ
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もしよろしければ、ご活用ください。
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よろしければ、ご利用ください。
4.確認するときのクッション言葉
失礼ですが
- 失礼ですが、お名前はなんとお読みするのでしょうか。
恐縮ですが
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たいへん恐縮ですが、出荷日をご確認ください。
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恐縮ではありますが、再度ご確認をお願いいたします。
5.反論するときのクッション言葉
差し出がましいようでございますが
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差し出がましいようでございますが、ひと言よろしいでしょうか。
勝手を申しまして恐縮ですが
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勝手を申しまして恐縮ですが、ご検討いただけませんか。
6.断るときのクッション言葉
「ありがたいお話」と一旦持ち上げることで感謝の気持ちを示した後、断りの言葉を続けます。
ありがたいお話ですが
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ありがたいお話ではございますが、ご要望に沿えるサービスを取り扱っておらず、辞退させていただきます。
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大変ありがたいお話ですが、スケジュールが重複しております。
身に余るお話ではありますが
とても名誉なことで、身に余るお話ではありますが、私ごときでは務まらない大役と存じます。
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とても光栄なのですが、私には身に余るお話です。
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まことに身に余るお話ですが、社内にて検討した結果、今回は見送らせていただくことに決定いたしました。
せっかくのお話ですが
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せっかくのお話ですが、担当営業は別の方にお願いできないでしょうか。
もったいないお話ではございますが
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まことにもったいないお話ではございますが、今回は辞退させていただければと存じます。
検討を重ねましたが
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社内にて検討を重ねましたが、他社製品を採用させていただくことになりました。
不本意ながら
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まことに不本意ながら、ご要望に沿えない結果となってしまいました。
その他注意点
「おそらく」「たぶん」「もしかすると」「〜ごろ」「〜かもしれません」。これらは、一見やわらかく丁寧な表現を作るクッション言葉と思われがちですが、伝えようとする内容自体をあいまいにしてしまう危険性をはらんだ表現なので注意しましょう。
「ぜひお願いします 」「 お先にどうぞ 」「どうかお許しください」「なにとぞご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます 」
敬語とともによく使われ、定型句も多くあるので、